2023 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive development strategy of modality-specific "intellectual property" and "cultivation" with an eye on "pharmaceutical affairs" in academia drug discovery
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23K02551
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
嵯峨山 和美 岡山大学, 研究推進機構, 准教授 (80457332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 明弘 金沢大学, 先端科学・社会共創推進機構, 特任准教授 (20383755)
秋丸 國廣 愛媛大学, 社会連携推進機構, 教授 (50281184)
宮崎 悟 岡山大学, 研究推進機構, 准教授 (70642792)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 知的財産 / アカデミア創薬 / モダリティ / 薬事制度 / シーズ育成 / 新規創薬標的 / 医薬品 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大学の創薬シーズにフォーカスし、大学が保護すべき「知的財産」は、目指す医薬品のモダリティ別に「薬事制度」との関係性で出願時期や発明内容が異なるという仮説に基づき研究を行った。 各種データベース[Cortellis(Clarivate)、国際特許(世界知的所有権機関)、PubMed(NCBI)]を活用し、アカデミアで研究開発されている各種モダリティ(低分子化合物、抗体、核酸、遺伝子治療、細胞治療)の医薬品について研究対象案件を選定した。大学におけるこれら各種モダリティの特許調査を行ったところ、いずれも新規創薬標的に関する概念特許を基礎出願とし、将来の「物の発明」に繋がる特許出願がされていた。大学が得意とするメカニズムの解明などから、抗体や核酸医薬品、遺伝子あるいは細胞治療の基礎研究成果が直結して「物の発明」に繋がることが想定される特許出願であった。一方、低分子医薬品の場合は、実施例として既知化合物の有効性が示され、「用途の発明」の特許出願になっていた。そこで、今年度は特に新規創薬標的に対する低分子医薬品と抗体医薬品との特許を比較した。低分子の場合は、既知化合物の基本骨格を基に、また、抗体の場合は、可変領域を限定することでそれぞれ新規医薬品開発の可能性が提案されていた。しかしながら、最終的な医薬品(物の決定)までに要する期間と薬事制度とを併せながら比較したところ、低分子医薬品の場合は、より研究開発期間を要し、大学や公的研究機関で医薬品を最適化するハードルが高いと考えられた。 今後は、他の医薬品モダリティについても分析する。各種モダリティごとの大学における研究開発の俯瞰図を可視化し、体系化することで「薬事」「知財」「育成」の融合的戦略を構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者と打ち合わせを行い、各種モダリティ別の研究対象案件の選定を行った。対象となった案件について、①世界のアカデミア創薬シーズについて各種データベース(DB)[医薬品開発( Cortellis、Clarivate)、国際・国内特許(世界知的所有権機関(WIPO))、PubMed(NCBI)、岡山大学電子ジャーナル等を調査した。特に、大学における低分子医薬品と抗体医薬品の特許の状況について調査を行い、比較することができ、その成果については、産学官連携学会で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度で研究対象として選定した案件の特許調査、学術論文調査に基づき、令和6年度は、規制当局PMDAの申請などの状況を追加調査する。これらの情報を集約し、各種モダリティごとの「本研究で目指すべき全体像」と、「新規創薬標的発表から薬事承認までの期間」とを図式化し可視化する。さらに、これらに「大学内で知的財産を保護すべき医薬品のモダリティ別の基本発明」を組み合わせ、大学における研究開発ロードマップ上に「知財」「薬事」「育成」に関する情報を書き込み、俯瞰図を作成する。各種モダリティごとに俯瞰図の傾向を分析し、体系化する。さらには各大学の創薬シーズに落とし込み検証する。
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Causes of Carryover |
令和6年度は、計画通り、産学連携学会(7月、愛媛大学)、大学技術移転協議会(9月、未定)、および、リサーチ・アドミニストレーション協議会(10月、沖縄科学技術大学院大学)に参加し、本研究についての打ち合わせや、研究の進捗状況の共有や意見交換を行う。アカデミア研究シーズの情報を収集したり、研究成果を発表したりし、研究成果の普及に努める。またBio Japan 2024(10月、パシフィコ横浜)に参加し、研究シーズ育成のために企業とのパートナリングを実施し、研究成果の有効性も検証する。 しかし、日本国内のみならず、AUTM(アメリカ大学技術移転協議会)が発行する技術移転に関するデータの購入や、有料の学術論文についても購入したい。今年度は、国際的なデータの購入も実施するため、新たに使用計画を挙げる。
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Research Products
(1 results)