2023 Fiscal Year Research-status Report
重症心身障害児との相互行為における共同性の諸相の解明に向けた微視的分析の展開
Project/Area Number |
23K02608
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
岡澤 慎一 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (20431695)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 重症心身障害児 / 相互行為分析 / 共同性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,重症心身障害児との教育的係わり合いにおいて,何かしらの共有が実現している行動様相,あるいは,共有の実現を志向するような教育的係わり合いの実相を,重症心身障害児と係わり手の相互行為の微視的分析を重ねるなかで明らかにすることである.具体的には,第1に,すでに申請者のもとに蓄積されている重症心身障害児と係わり手である申請者との係わり合いに関する映像資料を対象として,コミュニケーションにおける共同性の側面を反映していると思われる場面を抽出し,相互行為を記述し微視的分析を重ね,共同性が反映されている行動様相を明らかにし,そのなかに見出される意味を推定するとともにそうした係わり合いが実現する諸条件を確定することである.第2は,重症心身障害児との共同性に関する新たな教育実践を展開し,さらなる映像資料を蓄積することである.今年度は,第1の目的に関して,2事例のこれまでの教育実践に関する映像資料から,コミュニケーションにおける共同性の側面が反映されている場面を抽出している.また,第2の目的に関して,2023年4月から2024年3月の間に3名の超重症児,重症心身障害児との教育的係わり合いの場面において収集された映像資料は以下のとおりであった.3名のうち2名は,脊髄性筋萎縮症(SMAⅠ型)を原因疾患とする超重症児(事例1,事例2)で,視線入力装置を用いた学習活動に取り組み,この間の係わり手との相互行為を映像に収めている.事例1については26セッション分,事例2は15セッション分の映像資料が得られた.3名のうちの1名は,筋原性疾患の先天性ミオパチーを原因疾患とする超重症児(事例3)であり,同じく視線入力装置を用いた学習活動に取り組み,24セッション分の映像資料が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の第2に関しては,順調に映像資料の収集が重ねられている.一方,研究目的の第1に関しては,映像資料の量が多いこともあり,十分には取り組むことができていない.研究目的の第1と第2の進捗を総合的に勘案すれば,全体での達成度はおおむね順調であると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,重症心身障害児とのコミュニケーションにおける共同性に関する教育実践を展開し,映像資料の収集に努め,可能なところから分析を進める.また,研究目的の第1に関しては,すでに分析が可能な状態であることから,計画的に遂行したい.
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Research Products
(3 results)