2023 Fiscal Year Research-status Report
図的表現学習時の脳内メカニズム解明のための脳活動の特徴解析
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23K02700
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
後藤 和彦 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 助教 (50907235)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 図的表現 / 視覚誘発電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はグラフや模式図など図的表現の学習前後で生じる脳波,視線の動きの変化を明らかにすることである.今年度は図的表現の学習環境の構築と,図的表現の知覚・認知を反映する視覚誘発電位の記録を行った.学習環境の構築には,学習課題の設定,学習する図的表現の条件設定が必要となる.まず,学習課題はドットパターンのカテゴリー分類とした.一般的な図的表現では被検者はすでに特徴を学習しているため,学習前後の脳活動を比較することができない.そこで,本研究では初めて見る図的表現として先行研究を参考に10×10ピクセルのドットパターンを使用した.このドットパターンに特定の要素を含むものをカテゴリー1,含まないものをカテゴリー2と設定し,被検者にはカテゴリー分けの反復訓練を実施した.学習の状況はカテゴリー分けの正答率で判断した.次に図的表現の条件設定についてである.今回の研究で図的表現の知覚や認知に関する脳活動の候補として視覚誘発電位を考えている.視覚誘発電位は呈示する画像の明るさや大きさによって反応が変化するため,同じ学習課題を実施しても呈示する図的表現の条件が異なると解析できる反応が得られない可能性がある.そこで,図的表現の明るさを変えて視覚誘発電位を記録し,解析できる反応が得られる条件を検討した. 構築した図的表現の学習環境で視覚誘発電位の記録を行ったところ,刺激後250ms付近で出現する反応が正答率と対応する傾向が見られた.この反応は実験当初に想定していた図的表現の知覚に関する脳活動であり,図的表現の学習状況を評価する指標の一つになると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は図的表現の学習中にヒトの認知メカニズムにある注意制御(トップダウン処理)と知覚や認知(ボトムアップ処理)に関する脳活動を特定することを目的としている.当初の研究計画では1年目と2年目の前半で学習に関連するボトムアップ処理に関連する視覚誘発電位を特定することとしていた.現在の進捗状況では脳活動を計測する環境である図的表現の学習環境を構築することができ,そこからボトムアップ処理に関連する視覚誘発電位を記録することができている.また,この視覚誘発電位の中で,学習の状況と対応する反応も見つかっている.この反応についての詳細な検討はまだ完了していないが,当初計画したスケジュール通りに進めることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は構築した図的表現の学習環境を使って引き続き学習中の脳活動の記録を進める.このとき脳活動の記録と同時に視線の動きの計測も追加し,被検者が注意を向けている部分が学習の進行によってどのように変化するか,視線の動きと視覚誘発電位に関連性があるかを検討する.また,これまで記録したデータを含めて脳活動のさらなる解析を行う.具体的には,トップダウン処理を反映するとされる前頭部のθ波帯域の活動が出現するかについて検討する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,実験時間が当初予定よりも短くなったことで被検者への謝金が減額されたためである. 次年度以降は脳波記録に必要な消耗品の購入,実験被検者への謝金,学会発表への参加費用に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)