2023 Fiscal Year Research-status Report
The inclusive education in agriculture that supports active and proactive learning of diverse subjects and its effectiveness
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23K02772
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
町田 怜子 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (90724675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 健 東京農業大学, 農学部, 教授 (50534236)
茂木 もも子 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教 (50799658)
藤川 智紀 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (60361573)
下嶋 聖 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (60439883)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / 農業 / 視覚障害者 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
インクルーシブ教育では,障害がある者もない者も,「同じ場で共に学ぶ」ことを追求し,連続性のある「多様な学びの場」を用意することが必要とされている。その中で農業は,作付けから収穫までの多様な生産管理を,障害がある者もない者も同じ「場」と「時間」で共体験しやすい。 そこで,本研究では農業を通じたインクルーシブ教育を「農のインクルーシブ教育」と位置づけ,多様な主体の能動的・積極的学びを支援する「農のインクルーシブ教育」の学習支援体制の構築とその教育効果を明らかにする。 今年度は視覚障害者を対象とした研究を実施した。視覚障害者の農業参画は,空間認識の難しさや危険性の懸念から活動事例が少なく,具体的な支援方法は確立されていない。 そこで、視覚障害教育等に関する文献調査,農福連携関連事業所へのヒアリング調査により、視覚障害者を対象とした農作業体験プログラムで考慮すべき観点を検討した。 その結果、「①核になる体験」「②切れ目ない全体の体験」「③身体全体を使った体験」「④音を手がかりにした体験」「⑤触察」を設定した。加えて,農作業による楽しさや生きがいを感じる「⑥感情」「⑦補助者との交流」を新たに本研究の観点として提案した。 そして考慮すべき観点として,五感や交流を活用した体験・支援により,視覚障害者にとって取得しづらい作物の構造や作業方法の知識を取得することができ,さらに,農作業体験特有の感情を得ることが重要とした。また,視覚障害者にとって親和性の高い農作業体験の特性は,触察しながら作業しやすい工程であり,特に,手で収まる範囲の作物や,形・大きさ・さわり心地等が周囲と異なる作物や,狭い範囲で作業する内容が考えられた。プログラム開発における配慮事項として,高さのある作物への配慮や狭い畝間で作業する作物までの位置・向きの誘導が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は視覚障害者にとって親和性の高い農作業体験として、触察しながら作業しやすい工程であり,特に,手で収まる範囲の作物を対象に、視覚障害者複数名を対象にした植付から収穫までの農作業体験プログラムを実施し、視覚障害者を対象にしたプログラム開発やその支援体制を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
視覚障害者を対象とした農業によるインクルーシブ教育プログラムとして栽培・収穫プログラムを開発・実施し、その教育効果を明らかにすることを目的とする。調査方法は、視覚障害者,並びに補助者の学生を対象とした農業体験の実施及び、参加者へのヒアリングである。農業体験により視覚障害者が得られる効果を明らかにすることで、視覚障害者の農業への参加機会増加とインクルーシブ教育推進に寄与する。
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Causes of Carryover |
調査計画の実施見直しにより、次年度使用額が生じました
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