2023 Fiscal Year Research-status Report
典型的バーンアウトの予防研究: セルフチェックシートの開発から社会啓発まで
Project/Area Number |
23K02849
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
井川 純一 東北学院大学, 人間科学部, 准教授 (90748401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五百竹 亮丞 広島文教大学, 人間科学部, 助教 (10909873)
中西 大輔 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (30368766)
徳岡 大 人間環境大学, 総合心理学部, 講師 (80780642)
福崎 俊貴 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80838764)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 典型的バーンアウト / セルフチェックシート / 仕事コミットメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、仕事への情熱に起因する典型的バーンアウトに着目した検討を行っている。研究1年目の2023年度は、まず予備調査として多職種を対象とした質的な調査によって、これまでの研究において作成した典型的バーンアウトの前提となる仕事コミットメント尺度を精緻化した。看護師及び介護福祉士を対象とした研究1では、仕事コミットメント尺度の因子分析を行い、クライアントへの関わり、責任感、コミュニケーション、使命感、自己研鑽の5因子が抽出された。コミットメント得点 (ピーク、現在、減少値) 及び精神症状について潜在ランク分析を用いてランク化し、それぞれの得点パタンをクラスタリングしたところ、典型的バーンアウトクラスタ (準備期、前期、後期)、調整適応クラスタ、諦め適応クラスタ、ワークエンゲージメントクラスタ、不活性クラスタ、不適応クラスタなどに分類することができた。以上の結果については、国内学会で発表し、現在学術論文を執筆している。また、研究1において補足的に追加したバーンアウト尺度に関連するデータについても国内学会で発表し、現在学術論文として投稿ている。2月に行った研究2では研究1のデータについて縦断調査によって妥当性を検討し、それぞれのクラスタに特有の行動の変容が確認された。今後、これらのデータ分析を追加し、典型的バーンアウト尺度の精緻化を行い、Web上で利用できる典型的バーンアウトチェックシートを作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に行った研究1及び研究2では当初の想定どおりのデータが得られたため、このままのペースで行けば、順調にチェックシートの開発が可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在共同研究者と議論し、Webベースでのチェックシート開発についてのミーティングを重ねている。チェックシート利用者の仕事コミットメント尺度及び精神症状の得点をランク化し、それをリアルタイムでフィードバックするためには、技術的な問題をクリアする前に、典型的バーンアウト概念についての理論的な課題をクリアにする必要がある。次年度以降は、まず後者をクリアするために、2023年度に得られたデータを学会及び論文投稿を通じて広く公開する。2024年度には新たな職種についてのデータを追加し、2025年度には、Webベースでのチェックシートの完成を目指す。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していたWeb調査費、旅費が想定よりも減額となった。これらの予算は、次年度に発表予定の論文の校閲費用等に使用する予定である。
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