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2024 Fiscal Year Research-status Report

ICTを活用した女性ASD児に対する身体感覚と関係性を育む自己理解プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number 23K02952
Research InstitutionNakamura Gakuen College

Principal Investigator

岩男 芙美  中村学園大学, 教育学部, 助教 (00781030)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 木谷 秀勝  山口大学, その他部局等, 名誉教授 (50225083)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Keywords自閉スペクトラム症 / 女性 / 女の子 / カモフラージュ / 身体感覚 / 関係性 / ICT
Outline of Annual Research Achievements

女性の自閉スペクトラム症(以下、ASD)児は,年少時には本人が抱える困難が明らかになりづらい。しかし幼少時期からの過剰適応の結果,学童期以降,高次な対人関係が必要になると,様々な症状のために支援機関に繋がることが増える(山内ら,2013)。またしばしば「カモフラージュ(ASD特性を有する人々が社会的場面で自身の自閉特性を小さく見せるようにとる方略;Lai et al.,2011)」を取りやすいという指摘もある。
本研究では,女児を対象とした予防的支援プログラムの開発を目指す。筆者らのこれまでの研究および青年期の女性ASD者への実践から,身体感覚と自分らしさの表現を軸に,同じ特性をもつ仲間関係の中で自己理解を深めることの有効性が示唆されている。同時にこうした支援プログラムは本来,彼女たちが周囲への違和感を持ち始める児童期から開始しゆるやかな関係性を構築していくことが肝要である。そこで,①二次障害の好発時期である思春期以前から支援を開始し,②表現手段としてICT機器も活用しながら,③身体感覚に関する自己理解と自分らしさの表現を軸としたプログラムを展開し,ゆるやかに仲間関係を構築する支援策により二次障害の予防を目指す。
令和5年度実施プログラムで生じた参加児の関係性の変容について,令和6年度秋の児童青年精神医学会にて学会発表した。また令和7年3月発刊の中村学園大学発達支援センター紀要にて報告した。報告の視点として,援助者による評価手法を取り上げて検討したが,これについては有効な評価手法についていまだ課題が残ると結論付けた。令和6年度前期にプログラム内容の倫理審査や参加者募集を実施し,後期には全6回のプログラムを実践した。継続して4名のASD女児が参加した。前年度課題であった身体感覚にアプローチするプログラムとして臨床動作法の時間を取り入れた。この成果については令和7年秋に学会発表予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和6年度に予定していた研究課題はおおよそ達成することができた。ASDの女児を対象としたグループプログラムに身体感覚に関するプログラムを加えて実践することができた。この成果については,学会発表の準備中である。
前年度からプログラムをブラッシュアップして実践したグループでは,参加児童同士がICT機器を用いながら生き生きと自己表現し,豊かな関係性の変容が見受けられた。これらに関して援助者のカンファレンスの語りを中心に,さらなる質的検討が必要となる。それでも次年度での新たなセッション実施も既に計画が進んでおり,データの追加が期待できる状況である。

Strategy for Future Research Activity

令和6年度の実績をふまえ,令和7年度は新たな参加者を募り、継続参加児の意向もとりいれながらプログラム内容もさらに改善し実践する。特に,①プログラムの有効性の評価に関しては,さらなる検討が必要である。
令和6年度実施が叶わなかったが,支援者側の意識調査も必要である。令和7年度は,「カモフラージュ」と支援者側の認識との関連の調査も進め,さらなる実態把握を行っていく。

Causes of Carryover

令和5年度に購入を予定していたICT機器について,従前より使用していたものが使用可能であったため1台分購入しなかった。この物品費を令和6年度に繰り越し,令和6年度には新規購入が生じたが,1台のみで済んだため,次年度使用が生じた。令和7年度は当初予算だてた時よりも物品費の価格高騰が予想されているため,そちらに使用予定である。

Remarks

木谷秀勝・川上ちひろ:2024度青森県発達障がい者支援体制整備事業:発達障害のある女の子・女性の多様性のある生き方を支援するために,9月7日/iNEXT主催オンライン研修会:カモフラージュする女性発達障害の理解と支援-自分らしく生きられない苦しさ-,11月23日
木谷秀勝講演:金子総合研究所オンラインセミナー『発達障害のある女の子・女性の支援』(2020年10月8日再編集)12月20日~1月20日

  • Research Products

    (4 results)

All 2025 2024

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 自閉スペクトラム症を有する児童・思春期女児グループにおける体験評価手法の検討:実践と課題2025

    • Author(s)
      岩男芙美・岩男尚美・丸山明子
    • Journal Title

      中村学園大学発達支援センター研究紀要

      Volume: 16 Pages: 1-10

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 女性自閉スペクトラム症児が抱える『自分らしい』表現への葛藤と表出-グループ実践を通した変容過程-2024

    • Author(s)
      岩男芙美・岩男尚美・丸山明子
    • Organizer
      日本児童青年精神医学会第65回総会
  • [Presentation] 青年期女性自閉スペクトラム症の自助グループ活動の8年間の実践報告 -主体的活動を通した新たな「模索」の段階へ2024

    • Author(s)
      田中 亜矢巳・岩男 芙美・飯田 潤子・ 豊丹生 啓子・藤井 寛子・木谷 秀勝
    • Organizer
      日本児童青年精神医学会第65回総会
  • [Presentation] 青年期ASD当事者に対する在宅セルフリラクセーション実施における効果測定の試み-内省報告による分析を中心に-2024

    • Author(s)
      田中亜矢巳・木谷秀勝
    • Organizer
      日本心理臨床学会第43回大会

URL: 

Published: 2025-12-26  

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