2023 Fiscal Year Research-status Report
Number theory of prehomogeneous vector spaces
Project/Area Number |
23K03052
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
雪江 明彦 東北大学, 理学研究科, 客員研究者 (20312548)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 概均質ベクトル空間 / 密度定理 / GIT stratification |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は定年退職後の引っ越しや、海外との年金の手続き等(租税条約の確認などがあり、なかなか進まなかった)、環境の激変や、また代数の教科書(日本語第2版と英語版)の執筆もあり、研究は進まなかった。しかし、教科書ではあるが、最後の方の自分の専門に関係した部分を執筆しているときに、新しい論文のアイデアがうかび、また生活も安定したので、2024年度は研究することができると思う。それは、非退化3元2次形式の同値類が四元数環の同型類と1対1に対応することの類似であり、GL(1) x GL(8) の wedge^3 k^8 の表現の一般点の軌道で体の自明な拡大に対応するものが、9次元の中心単純環の同型類に対応するというものである。このことの実現のためにいくつか、不変式論的な計算を行った。これは2024年度も引き続き行い、論文にしたい。田嶋和明との共著論文の4部のために何をすべきか、考察した。2024年度はこのプロジェクトの再開する予定である。 昨年度は比較的大きな国際研究集会である「代数的整数論とその周辺」で招待講演し、その報告集に論文を投稿した。その講演では、2022年に出版された結果を含む過去の研究の概要について講演した。2022年度は定年退職の年で忙しく、これらの内容を京大以外の場で発表する機会はなかったが、2023年12月の研究集会では発表し、多くの研究者に周知できたと思われる。特に、かなり前の結果だが、ようやく出版された、1944年の Siegel の結果を有理数体の結果に拡張した結果について、学会で周知させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上でも書いたが、2023年度は定年退職後の環境の激変などにより、研究は進まなかった。しかし、以前から考えていたことはあるので、2024、2025 年度については楽観的な見通しを持っている。GIT stratification の続きは必ず(長めの)論文が書けるような題材であり、福島高専に就職した田嶋和明氏と共同研究を再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は研究集会も開催できなかったが、東北大の他の教員で近い分野の教員が秋に研究集会を開催するので、自分は6月に開催するべく準備中である。講演者は確定し、順調である。さて、結果は出していないが、構想はねっている。昨年までで、GIT stratification の3部作を出版したが、予定としては4部も作成予定であり、共著者の田嶋和明も高専に昨年就職し、昨年度は共同研究できるような状態ではなかったが、今年度は磐城と仙台で共同研究できるはずである。この4部については、2年前にかなり、計算を行い、ある程度できている。4つの論文で扱うケースは概均質ベクトル空間の中でも大きいものだが、3部では、より大きい概均質ベクトル空間に含まれる場合の GIT stratification はその大きい場合からかなり従うといった結果を証明した。そこからどのようにコンピュータープログラムを組むかといったことに関しては、一定の方針を考えた。それを実行すれば、より小さい概均質ベクトル空間の GIT stratification をいくつか決定し、新たな論文が作成できるはずである。また、上に書いたように、新たな方向の研究に役立つこととして、概均質ベクトル空間からのさまざまな covariant のうちどのようなものを考えたらよいのかといった考察もした。これらの応用としてこれまでにないような応用があるかもしれないと思っている。 昨年度は特殊事情であまり研究が進まなかったが、これからの2年間については楽観的な見通しを持っている。
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Causes of Carryover |
20K03512 の基盤 (C) をコロナのために1年繰り越したため,23年度は予定より大幅に多い額が執行可能になった。しかし,結果として,すべて使い切るには至らなかった。しかし,24年度,25年度ともに2つの研究集会の主催者の一人であり,また田嶋和明との共同研究を再開するにあたり,仙台-磐城の交通費も必要になってくるため,23年度に使い切らなかった分も含め,24,25年度に有り難く使用させてもらう予定である.
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