2023 Fiscal Year Research-status Report
Toward a global analysis on solutions of nonlinear partial differential equations
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23K03165
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 孝明 京都大学, 情報学研究科, 名誉教授 (70026110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 宏志 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (00362583)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 熱対流 / 非一様な熱供給 / Oberbeck-Boussinesq 方程式 / 長い水平領域での数値計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
粘性流体の熱対流問題の解析及び数値解析 重力の下で水平な帯状領域にある非圧縮性粘性流体の熱対流問題は、 Oberbeck-Boussinesq 近似した方程式系として定式化できる。横に長い領域で上表面での温度が一様に高温の場合には、流体は静止したままの熱伝導解が安定である。同じ領域で底での温度が一様に高温になると、多数の対流渦が現れる。ここでは上表面の温度が一様でない(温度差が一つある)場合を考察している。流体速度の上表面での境界条件は、自由表面に近い stress free (slip) 条件が自然であり、底での条件は no-slip か slip である。この定式化の下に定常解の存在とその挙動を調べることが目的である。それらの内、流体速度に関する slip 境界条件を課して、適当な条件の下でその定常解が存在することを証明した。存在証明の条件は厳しいが、横の長さに依らない条件の下で示した。存在定理だけでは分からない、解の挙動を見るために数値計算は必須である。定理の条件を満たさない場合も含めて、色々数値シミュレーションを行った。横に非常に長い領域でも横長の大きな渦が一つだけできる事が分かった。この場合の縦横比は熱帯近くから北極近くへの海流の最も簡単なモデルとも思える。Japan Journal Industrial and Applied Mathematics に出版される事が決まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重力下にある水平領域を満たす粘性流体の熱対流問題で熱の供給が一様でない場合について、Oberbeck-Boussinesq 方程式による定式化の下で、流体の速度の境界条件が slip の場合に、横方向の長さに依らない適当な条件の下で定常解の存在定理の証明が出来た。さらに解の様子を見るために数値計算法を考案して、解の存在条件を満たさない場合も込めて数値シミュレーションも行い、解の様子を調べられた。
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Strategy for Future Research Activity |
水平領域での流体の速度について、底では no-slip の境界条件の場合を取り上げ、slip の場合との比較検討する。圧力項の計算が問題となり数値計算法も考察する。 熱対流問題の Oberbeck-Boussinesq 方程式系による定式化に加えて、塩分濃度を考慮したときの塩熱対流の場合について現在研究中である。 現実の海流と考えるには、表面温度差に加えて、塩分濃度、表面での風の向き、 Coriolis 力、地形などの考慮が必要である。
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Causes of Carryover |
能登半島地震のために参加予定していた研究集会が延期になったため。 次年度に延期された研究集会に参加し使用する。
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Research Products
(2 results)