2023 Fiscal Year Research-status Report
Best evaluation of Sobolev inequality using reproducing kernel and study of its application to science and engineering
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23K03239
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
武村 一雄 日本大学, 理工学部, 教授 (60367216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
關戸 啓人 大阪成蹊大学, データサイエンス学部, 准教授 (40718235)
永井 敦 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90304039)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | ソボレフ不等式 / グリーン関数 / 再生核 / 最良定数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画初年度に当たる令和5年度は、これまで得られた各種境界値問題に対するグリーン関数の情報を収集、蓄積された情報を整理・分析した。これらの作業と並行して、周期境界条件と半周期境界条件が交互に登場する2M階多点非局所境界値問題に対するグリーン関数を構成し、グリーン関数がもつ各種性質の究明を行った。本研究課題は、2011年に出版された固定端境界値問題に対応するソボレフ不等式の論文に登場する古典的境界条件にあたる両側固定端条件の摂動問題に対応している。それゆえに、多点非局所境界値条件で求められたグリーン関数は、古典的な両側固定端条件をもつグリーン関数に加えて、摂動項にあたる積分項を有する表現式となることが分かった。これまでの古典的境界条件をもつ両側固定端条件から得られるグリーン関数には無い新たな形式のグリーン関数が得られた。すでに、グリーン関数の対称性、境界条件を満たすことやジャンピングコンディションなどの得られた各種性質については論文として執筆、令和6年2月に関連の深いジャーナルへすでに投稿済み(査読中)である。非局所境界条件にはある重み付きの関数が登場するが、この重み付き関数に対称性を与えることによりグリーン関数を構成するいくつかの関数の対称性と相まって、その対称性が古典的な両側固定端条件をもつグリーン関数同様に保存される結果となった。現在はグリーン関数の正値性の証明に取り組んでいる。2011年に出版された論文では古典的な両側固定端条件をもつグリーン関数の正値性に触れられていないため、まずはこちらの正値性の証明に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画初年度であるが、論文の投稿に若干の遅れが見られるものの、全体としては当初の研究計画書通り進んでいる。特に、2011年に投稿した固定端境界値問題に対するグリーン関数を始めとする2M階微分作用における各種境界条件のグリーン関数の情報を収集、再整理することにより蓄積されたデータの分析がかなり進んでいる。古典的境界条件にあたる両側固定端条件の摂動問題に対応している現在の課題は、両側固定端条件に対するグリーン関数ならびに摂動項の積分項の正値性を調べる必要があるため、時間を要する証明作業となるが、次年度中には完了する予定で研究分担者(永井、關戸)と連絡を取り合って慎重に進めている。今後は、これらの詳細な情報をもとにして、ソボレフ不等式の導出と最良評価へと結びつけてゆきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画初年度に取り組んでいる本研究課題の周期境界条件と半周期境界条件が交互に登場する2M階多点非局所境界値問題に関しては、グリーン関数の正値性の証明が完了した後、摂動部分の積分項に対する正値性の証明を行い、非局所境界値条件で求められたグリーン関数に対する各種性質ならびに正値性の証明を完了する予定である。非局所境界値条件に対するグリーン関数を構成する1要素となるある関数が、Karlsson-Mintonの和公式を用いてオイラー多項式表現式をもつことが徐々に分かってきた。オイラー多項式で表現する際、その展開係数にカタラン数が登場してきたことも大変興味深い事実である。こうしたグリーン関数の各種性質が証明された後は、2M階多点非局所境界値問題に対応するソボレフ不等式を導出、その最良評価(最良定数、最良関数)を求めてゆく予定である。非局所境界値条件に対するグリーン関数の構成要素にカタラン数が現れたことから、ソボレフ不等式の最良定数がカタラン数を用いて表現できる可能性がある。しかしながら、この点についてはまだ未確定な部分も多く、今後詳細に調べる必要がある。
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Causes of Carryover |
執筆していた論文の投稿が当初の計画より遅くなったことで、予定されていた論文投稿費用、学会発表を見送ったために次年度使用額が生じた。これらは、論文投稿費や学会発表の出張旅費として使用する計画である。
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