2023 Fiscal Year Research-status Report
Enhancement of the spin-orbit interaction and exotic superconductivity in correlated metals
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23K03330
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
久保 勝規 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (50391272)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ワイル半金属 / 端状態 / ラシュバ型スピン軌道相互作用 / 強相関電子系 / 物性理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スピン軌道相互作用のある系の強相関効果、特に電子間相互作用がスピン軌道相互作用に及ぼす効果について調べている。 本年度は、ラシュバ型スピン軌道相互作用のある系の強相関効果を明らかにするために、ラシュバ・ハバードモデルを調べた。 ヘテロ構造の界面など、反転対称性の破れた2次元電子系においては、ラシュバ型スピン軌道相互作用と呼ばれる、運動量に依存したスピン軌道相互作用が現れる。これまで、スピントランジスタの提案など、ラシュバ型スピン軌道相互作用を利用した現象について多くの研究がなされてきた。しかし、それらの研究は主に1電子状態を考慮したものであり、電子間のクーロン相互作用の影響についてはあまり研究がされていなかった。そこで、本研究ではラシュバ型スピン軌道相互作用のある系の電子相関効果を調べる。この目的のために考えられる最も簡単な模型は、正方格子上のハバードモデルにラシュバ型スピン軌道相互作用を取り入れたものである。これはラシュバ・ハバードモデルと呼ばれる。 ラシュバ型スピン軌道相互作用がないときは、バンドは2重縮退しているが、ラシュバ型スピン軌道相互作用によりその縮退は解ける。ただし、時間反転不変な運動量では縮退は解けず、これらの周りでエネルギー分散は線形となる。これらの点はワイル点と呼ばれる。 我々は、変分モンテカルロ法を用いて、このモデルの強相関効果を調べた。その結果、先行研究と同様に、ラシュバ型スピン軌道相互作用が小さい領域では、ラシュバ型スピン軌道相互作用は金属状態を安定化することを確認した。それに加えて、ラシュバ型スピン軌道相互作用が大きい領域では、電子相関によってワイル点がフェルミ準位近傍に移動し、ワイル半金属状態が安定化することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおりに、ラシュバ・ハバードモデルについて、変分モンテカルロ法を用いた計算を行った。その結果、強相関効果によってワイル半金属状態が安定化しうることを明らかにした。以上から、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究により、ラシュバ系のトポロジカルな性質の一端が明らかになった。そこで、関連する強相関電子系として、多軌道系に対象を拡げ、その電子状態、特にそのトポロジカルな性質を調べる。
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Causes of Carryover |
今年度は解析的な計算に進展があったため、その研究を優先し、当初予定していた大規模な数値計算は次年度以降に行うことに計画を変更した。それにより、今年度に予定していた数値計算に必要な計算機の購入を次年度以降としたため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度分研究費と合わせて、計算機購入等に係る費用として使用する。
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Research Products
(6 results)