2023 Fiscal Year Research-status Report
Systematic study of plasma dynamics under strong electromagnetic fields in beam-plasma interaction
Project/Area Number |
23K03356
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
森高 外征雄 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (20554372)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 相対論プラズマ / 運動論シミュレーション / 量子電磁気学効果 / スピン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の立ち上げとして、必要な数値シミュレーションコードの整備と機能拡張を実施した。シミュレーション手法はこれまでに開発してきたParticle-in-cell(PIC)コードを基盤とし、量子電磁気学的過程や粒子ビーム-プラズマ相互作用に関する機能を追加する。本PICコードには計算粒子ごとの重みに相当する自由度が追加されており、そこに生成陽電子数やスピン期待値の情報が含まれるようにした。計算粒子の重みで粒子の増減を表現するオリジナルのPICコードは、高エネルギーイオンの注入によって励起する低域混成波の研究にも応用された。また、電磁場の放射境界と組み合わせたプラズマの開放境界条件を実装した。これは、磁気リコネクションのシミュレーションで用いられている手法に基づいているが、本研究では任意のビーム速度にシミュレーション領域を追跡させるmoving frame法の下流側に適用することを想定している。量子電磁気学的過程に関連したものとして、スピンの時間発展に対するThomas-Bargmann-Michel-Telegdi方程式を、荷電粒子の運動方程式との類似性に着目する形で数値モデル化し、シミュレーションに導入した。プラズマ構造形成のスケーリングを調べるためには、幅広い計算規模で網羅的にシミュレーションを実施する必要がある。領域分割と粒子分割というPIC法における二つの並列化手法を任意の割合で組み合わせることで、袖領域の確保や通信量の増加といったそれぞれの弱点を補う形で大規模並列計算を実施できるように計算コードを拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で2022年度までの別の課題が延長されたことや学生指導体制が変更されたことに伴い、本研究のエフォート値の配分が想定よりも少なくなった。いずれのテーマも磁場閉じ込め核融合に関するもので本研究との関連性が少なく、シミュレーションコードの共通化も困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションコードが整備されてきたことに伴い、まず相対論的プラズマダイナミクスに関するものと量子電磁気学過程に関するもの、それぞれについて具体的な物理課題に応用する。それぞれの課題で実績が蓄積されてきたのち、両者を統合した課題へと進展させる予定である。また、量子電磁気学を含む高強度場の物理に関する専門家と協力し、より極限的な環境におけるプラズマダイナミクスとの関連性やシミュレーションの可能性について議論を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
先述の理由で研究の進捗がやや遅れており当初計画していた国内学会発表が実施できなかったため、学会参加費用を使用できなかった。次年度の国内学会参加費用として用いる予定である。
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Research Products
(2 results)