2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a group of particle transport codes connecting the wall, peripheral, and core regions including dependence of ro-vibrational states of molecular hydrogen
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23K03362
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
中村 浩章 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (30311210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 圭司 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (40262688)
齋藤 誠紀 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (40725024)
森高 外征雄 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (20554372)
井戸 毅 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (50332185)
田村 祐一 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (50311212)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 分子動力学法 / 空孔 / 水素吸蔵 / タングステン / 水素リサイクリング / 中性粒子輸送コード |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、分子動力学+中性粒子輸送+プラズマの各シミュレーションの連携を引き続き行った。特に、プラズマについては、XGCコードを九大QUESTに適応を行うことをすることができた。さらに、分子動力学法のシュミュレーションをもちいたタングステンの水素リサイクリングモデルの開発を行った。 以下このタングステンの分子動力学を説明する。タングステンは融点が高く、スパッタリング収率が低く、水素同位体の蓄積も少ないため、核融合炉のプラズマ対向材料として使用されている。しかし、核融合炉環境では、タングステンにD-T核融合反応による中性子と水素同位体が照射され、タングステン中に空孔などの欠陥が形成される。これまでの研究では、水素原子が空孔に捕獲されると、捕獲されない場合に比べて空孔の合体が起こりやすくなることが実験的に示されていた。そこで、本研究では、原子スケールの現象としての空孔合体のメカニズムを明らかにするために、LAMMPSを用いた分子動力学シミュレーションにより、タングステン結晶中の空孔の挙動を解析した。具体的には、タングステン結晶中に2つの空孔を設定し、空孔間の相互作用を解析した。タングステン結晶中の空孔に捕捉された水素原子が空孔間の相互作用に与える影響も解析した。空孔内の水素原子の数を変え、温度を変えてシミュレーションを行った。シミュレーションの結果、空孔間のタングステン原子の移動の結果、2つの空孔が合体して1つの大きな空孔を形成することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タングステンを分子動力学法でシミュレートするノウハウを蓄積することができた。本手法は、一連のコードの連携の基盤となるため、土台を固めることができたと言える。さらに、XGCでQUEST(九大)のプラズマ平衡配位を扱うためのスタートを行うことができた。各パーツを開発することができたため、今後はこれらの連携を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
分子動力学法での材料シミュレーション、XGCによるプラズマシミュレーション、中性粒子輸送による原型炉を対象にしたシミュレーションの各々を独立に改良を進めることができている。次年度以降は、これらの連携を進めるとともに、材料の水素リサイクリングモデルのデータを構築するための手法の自動化を目指し、データベース構築を進める必要があると考える。
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Causes of Carryover |
当初購入予定していたワークステーションが、別の予算で購入できることとなり、それを本課題でも用いることができるようになったため、次年度使用額が生じた。この差額分は、次年度以降に代表者・分担者が研究発表のための国際会議・国内会議・研究会に必要な旅費・参加登録費として計画する。
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