2023 Fiscal Year Research-status Report
Horizontal structures and horizontal transport processes of the Es layers elucidated with a sounding rocket experiment and ionosonde receiver network
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23K03477
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齊藤 昭則 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10311739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 未知 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター, 主任研究員 (20582589)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | スポラディックE層 / 電離圏 / イオノゾンデ / レーダー / 観測ロケット / 電波異常伝搬 / 金属イオン / 流星 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地上イオノゾンデ受信機網を展開し、鹿児島県内之浦からの観測ロケット実験との同時観測によってEs層の水平構造と水平輸送の物理過程を明らかにすることを目的としている。観測ロケット実験で用いる中性大気とプラズマの相互作用の解明に必要な、中性大気質量分析器、中性風測定器、イオン速度測定器の3つの機器はいずれも近年国内での開発が進んだものである。特に中性大気質量分析器は、月探査に向けて開発が進んだものを利用することで、高精度・小型な衛星・観測ロケット搭載可能な装置が利用できることになった。また、研究代表者のグループによりEs層の3次元数値モデルの開発が進められている。これまで「スポラディック」と考えられていたEs層の日々による振る舞いの違いが、数値モデルによって大きな構造は再現ができることが明らかになった。そして、数値モデルの妥当性を評価するためには観測ロケットによる直接観測と、イオノゾンデ受信機網による水平構造・水平輸送の観測が必要である事が、本研究の着想につながった。情報通信研究機構が運用するイオノゾンデ網が2016年にVIPRシステムに更新され、比較的コンパクトな受信システムが構築可能になったことも本提案の動機となっている。これにより、送受信局である情報通信研究機構イオノゾンデ局の周辺に受信専用局を設置することで、多地点の観測が実現できるようになった。本年度は、このイオノゾンデ受信専用局を熊本県南阿蘇村にある京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設火山研究センターと宮崎県宮崎市にある京都大学防災研究所宮崎観測所の2地点への設置を行なった。これらの2地点において情報通信研究機構山川観測所のイオノゾンデからの送信電波の受信を開始し、3地点によるEs層の水平構造・水平移動の観測に成功した。データはリアルタイムに京都大学に集約され、Es層のモニタリング観測を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の実施項目 は以下の4点である。 (1) イオノゾンデ受信機網の設置と観測開始:イオノゾンデの受信専用システム(アンテナ及び受信機)を作成し、観測を開始する。山川がイオノゾンデ電波の送信点になり、受信機との中間点が観測領域になる。それぞれの地点でのEs層最大プラズマ密度の時間変化の相関と時間差から、構造の水平構造とその水平輸送速度を測定する。 (2) 観測ロケット実験との同時観測の実施:打ち上げは2024年7月-8月の12時から14時の間を予定している。 (3) 観測データ解析によるEs層の水平構造と水平輸送過程の解明:イオノゾンデ受信機網観測データからEs層の水平構造と水平輸送を解析する。 (4) イオノゾンデ受信機網追加観測と撤収:2024年に得られた地上観測データの一般性を調べるために2025年夏期においてもイオノゾンデ受信機網観測を実施し、その後、観測機器の撤収を行う。 このうちの(1)について2024年度に無事に設置と観測開始が終了し、順調に進捗している。しかしながら(2)については、観測ロケット本体の不具合が判明し、当初予定していた2024年7月-8月の打ち上げ時期が延期されることが明らかになっている。この打ち上げそのものについては本研究での実施内容ではなく、2023年度の研究進捗への影響はないが、2024年度以降には研究の遅れの原因となる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には(1) 2023年度に設置したイオノゾンデ受信専用局による観測の実施、(2) 観測ロケット実験との同時観測の実施、(3)観測データ解析によるEs層の水平構造と水平輸送過程の解明、の3点を実施する。(2)については、射場(内之浦)での最終確認・打ち上げ・観測運用を行う。打ち上げは、イオノゾンデ受信機網によりEs層の発生が確認されたタイミングで行うため、10日間程度の打ち上げ期間を確保する予定であるが、打ち上げ時期は当初予定していた2024年7-8月期から延期されることが決定しており、その打ち上げ時期に対応した地上観測の実施を行う。また(3)についても、イオノゾンデ受信機網観測データからEs層の水平構造と水平輸送を解析するとともに、観測ロケットにおける観測データの校正、ロケット位置・姿勢データを用いた補正などを行い、科学データとして利用可能にする。これらと3次元数値モデルとの比較によりEs層の物理過程明らかにすることを予定しており、観測ロケットの打ち上げ時期に応じて対応していく予定である。観測ロケット打ち上げ時期は2024年度冬期あるいは2025年度夏期が候補になっており、計画時よりも研究進捗の遅れが予想されるが、事前にロケット観測データ校正処理プログラムなどを整備し、打ち上げ後は迅速にデータ解析を進められるように準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
イオノゾンデの受信専用システムを情報通信研究機構の既存機器を利用することで、本年度仕様を予定していた備品費が減額された。その分は、当初は十分に計上されていなかったが、観測結果をから来年度に必要であると判断された、阿蘇と宮崎におけるイオノゾンデの受信専用システムの受信状況改善のための旅費及びそれに必要とする消耗品費に使用する予定である。
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[Presentation] S-310-46号機 RIDEキャンペーン:Es層形成過程の中性大気とプラズマ大気の同時観測による解明2024
Author(s)
齊藤 昭則, 松岡 彩子, 坂崎 貴俊, 阿部 琢美, 齋藤 義文, 石坂 圭吾, 田川 雅人, 横田 久美, 熊本 篤志, 小嶋 浩嗣, 栗田 怜, 横山 竜宏, 村田 直史, 斎藤 享, 高橋 透, 西岡 未知, 安藤 慧, 細川 敬祐, 中田 裕之, Huixin Liu、木暮 優, 西山 尚典、江尻 省
Organizer
第6回観測ロケットシンポジウム
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