2023 Fiscal Year Research-status Report
Redefinition of the distribution of the Setouchi volcanic rocks and inference of the spatio-temporal distribution of the Miocene Shikoku Basin slab.
Project/Area Number |
23K03533
|
Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
新正 裕尚 東京経済大学, 全学共通教育センター, 教授 (60312013)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 岳史 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10251612)
折橋 裕二 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70313046)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 瀬戸内火山岩 / フィリピン海プレート / 高Mg安山岩 / 日本海拡大 / 放射年代測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,まず,瀬戸内火山岩類の東西方向の分布を再検討することを目標としている.その中で今年度は主に瀬戸内火山岩類の分布の西縁について検討を進めた.これまでは九州東部大分県に分布する大野火山岩類が瀬戸内火山岩の西縁とされていた.過年度までの研究に基づいて九州東部の熊本県天草地域の中新世珪長質火成岩がその放射年代および全岩化学組成の特徴から瀬戸内火山岩類に対比される可能性が高いことを指摘した学術論文を公表した.本研究では,さらに西方の甑島諸島へ分布が延長する可能性の検討を開始している.これまでも甑島の花崗閃緑岩中の火成包有物に,高Mg安山岩類似の岩石の報告があったが,パイロット的に分析した岩脈岩について,その蛍光X線分析に基づき高Mg安山岩に相当する組成の試料の存在を確認したので,その実態の解明のため岩脈岩の調査と試料採取を行った.採取試料は岩石記載を行うとともに,全岩化学分析と放射年代測定の準備を行なっている. 一方,瀬戸内火山岩の東縁の検討に関連した調査も着手しており,今年度は岐阜県中濃地区の能郷白山花崗閃緑岩体の野外調査を行いパイロット試料の採取を行った.こちらも採取試料の全岩化学分析と放射年代測定の準備を進めている. そのほか,瀬戸内火山岩類に特徴的に産出する高Mg安山岩および玄武岩について,広域的な野外調査と基礎的な全岩化学組成のデータ取得を以前から継続的に進めており,今年度は大阪府南部に分布するものの調査を進めた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地質調査や試料採取等は順調に進めているが,代表者の学内業務の関連で放射年代測定等の実施が2年目にずれ込んだ分,予定より遅延している.
|
Strategy for Future Research Activity |
瀬戸内火山岩類の九州西部への延長については,研究企画時の予想と合致するデータが得られつつあるので,甑島地域の岩脈の継続した地質調査と全岩化学分析,放射年代測定を2024年度に進めて瀬戸内火山岩類の西縁を明確にしたい.合わせて,紀伊半島東部から中部地方の野外調査も2024年度に実施し,最終年度に放射年代測定等の室内実験を進め,瀬戸内火山岩類の東縁の議論が行えるように準備したい.
|
Causes of Carryover |
年代測定および全岩化学分析の実施の一部が遅れたため,採取試料の鉱物分離等の委託費用についても予定よりは支出が少なく,次年度使用額が発生した.2年目以降は野外調査をより着実に実施するための旅費とともに,年代測定を進める上での委託に関わる費用,研究成果を学会や論文として公開するための費用に使用する.
|