2023 Fiscal Year Research-status Report
Understanding of frequency-magnitude distribution in terms of the BK model and the interaction among heat, fluid pressure, and porosity
Project/Area Number |
23K03554
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 岳人 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10451874)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ゆっくり地震 / 高速地震 / BKモデル / 熱・流体・空隙相互作用 / 相転移 / 規模別頻度分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の観測研究により、地震には我々が通常感じる高速地震と、地震波を殆ど放射せず我々には感じることがないゆっくり地震が存在すると明らかになってきた。ゆっくり地震は地震波を出さないのであるから、直接人間社会に影響を及ぼすわけではない。しかしそれを繰り返すことによって高速地震へと遷移する可能性もあり、見過ごしてはならない現象である。そういった振る舞いの理解への準備として、本研究ではゆっくり地震と高速地震の規模別頻度分布の違いに着目する。どちらの地震も、規模が小さいものは発生数が多く、大きいものは発生数が少ないことが知られている。すなわち発生頻度が規模に依存するのであるが、その依存性は両地震で同じではない。その違いを説明することは両地震の発生メカニズムの理解につながり興味深い。
ここで熱・流体・空隙相互作用について簡単に述べる。まず断層岩は空隙を多数含んだ多孔質媒質であるとし、空隙は液相(水)で満たされているとする。断層滑りの際に摩擦発熱が支配的だと媒質は膨張するが、固相と液相の膨張率の違いにより断層面上での流体圧p_fが上昇する。一方滑り時に滑り面近傍で空隙が生成する効果が支配的だとp_fは減少する。p_fが高い(低い)と有効法線応力の減少(増加)と滑り摩擦力の減少(増加)、そして滑りの加速(減速)を導く。加えて、滑りに伴って空隙が生成すると同時に、それによって生じた粒子がその後沈殿して空隙率の回復(空隙率で言えば減少)に関わるという効果も重要である。
多数のブロックをバネで連結したBurridge-Knopoff(BK)モデルにおいて、熱・流体・空隙相互作用を導入した。その結果、多くのブロックが停止せずゆっくりと滑り続ける振る舞いを得た。その解釈の一例として、微動を再現している可能性を挙げる。微動はゆっくり地震が連続的に起こっていると考えられており、それに対応すると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微動と解釈できる地震を発生させることができたからである。過去の研究では「高速」「ゆっくり」という分類のみを考えてきたが、その「ゆっくり」というカテゴリーの下に「微動」というものカテゴリーを加えられたのである。
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Strategy for Future Research Activity |
微動が生成されるようになったとはいえ、まだ多様な規模のものを発生させられたわけではない。多様な規模を見出せるよう、幅広い計算を行いたい。
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Causes of Carryover |
現在使用している計算機の性能の範囲内において、十分短い計算時間でも議論・考察ができることを見出せたためである。現段階では新たなワークステーション等を必要とするほど大規模な計算を行わなくても新たな知見が得られていると言える。
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Research Products
(12 results)