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2023 Fiscal Year Research-status Report

統計的因果推論に基づくマイクロドリルの突発的折損予測法の開発

Research Project

Project/Area Number 23K03611
Research InstitutionChubu University

Principal Investigator

古木 辰也  中部大学, 工学部, 講師 (00783482)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywordsマイクロドリル / セラミックス / 折損予測 / ベイジアンネットワーク
Outline of Annual Research Achievements

工具直径の小さなマイクロドリルによる穴あけ加工において,特に切り込み量を小さくせざるを得ない高硬度セラミックス材料の加工では,加工抵抗が小さく工作機械のサーボモータ情報では詳細な加工状態の把握が難しいこと,高分解能な切削動力計では工作物サイズに制限があることなどにより,工具折損を予測することが難しい.そこで本研究では,工作機械(マシニングセンタ)上でマイクロドリルを撮影し,撮影画像から切れ刃摩耗などの工具状態を評価することで,工具状態からマイクロドリルの折損確率を予測する手法の構築を目指している.
2023年度は工作機械上でマイクロドリルの側面および底面を撮影する装置を試作するとともに,撮影画像から各種工具摩耗や切りくずの目詰りを自動評価するシステム開発を行った.まず工具撮影における課題において,傾斜面であるドリル底面全域において精細な画像を取得するために,工具を軸方向走査させながら撮影し被写界深度合成する撮影法を構築した.各種工具摩耗量の評価では,ドリル側面のシルエット画像に対してRフィッティング処理等により,ドリル肩部と先端部の丸みを算出することを可能とした.ドリル底面の撮影画像では,逃げ面摩耗部と切りくずの目詰り部を両者の空間周波数の違いにより切り分けることで,両者の評価を実現した.これら各種ドリル状態を変数として,加工中の工具軸方向(スラスト)力を推定することを目的としたベイジアンネットワークを構築した.当該は各変数間の因果関係を考慮し推定するため,複数要素が複雑に絡み合う機械加工において,状態推定をするのに有効であると考えた.スラスト力は実際にマイクロドリルによるセラミックス加工を行うことで得た.スラスト力を推定した結果,各種工具状態の変数の大小により敏感にスラスト力が変化することがわかった.今後は実際のドリル強度を変数とすることで,折損確率の予測を行う.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

2023年度の達成目標は,オンマシン撮影装置の試作および,ドリル底面の逃げ面摩耗量や切りくず目詰り部の面積といった各種工具状態を評価する画像解析手法の構築であった.研究実績の概要で示したとおり,マイクロドリルの側面および底面をオンマシンで撮影する工具撮影装置を試作し,3次元形状を持つドリルに対して被写界深度合成して精細な撮影画像を取得することを達成した.また,ドリル底面画像に対して逃げ面摩耗部と切りくず目詰り部の空間周波数の違いに着目することで,両者の切り分けを達成するとともに,それらの幅や面積として定量評価することを実現した.さらに底面部の評価だけではなく,ドリル側面のドリル投影面積の減少量やドリル肩部および先端部の丸みをRフィッティングにより評価することも可能とした.さらに2024年度の目標である,ベイジアンネットワークを利用した加工中負荷の予測を準備的に試みた.そのために,実際にセラミックスのマイクロドリル加工を行い,スラスト力を取得した.取得したスラスト力と撮影・評価した各種ドリル状態を変数として,ベイジアンネットワークを構築し,未知のドリルに対するスラスト力評価を行った.その結果,各種ドリル状態の組み合わせ(各種の大小)の違いにより,スラスト力が敏感に変化することがわかった.
以上のとおり,当初の目標以上に研究開発は進行しており順調といえる.

Strategy for Future Research Activity

2023年度に構築したベイジアンネットワークによる切削力の推定では,実際の加工データ数が少ないことがまず課題であるので,さらなる加工実験を行う.また,折損確率を予測するには,実際のドリル強度を考慮しなければならない.したがって,切削動力計やトルクセンサを用いた破断試験を行いドリル強度を測定するとともに,FEMによる解析も実施していく.これらにより予測精度を向上させていくが,現時点においてまだ考慮できていない工具パラメータが存在する可能性もあるため,その際には新たな画像解析手法の構築も行う.2025年度の目標であるが,進捗が良好である場合には,ドリル径や被削材料を変化させてベイジアンネットワークの再構築を行うことで,一般性の向上に努める.

Causes of Carryover

実際の切削力を取得するためのマイクロドリルの費用として計上していたが,メーカ在庫がなく購入できなかったため,次年度使用額が生じた.2024年度において上記計画どおりに,ドリルを購入する予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] In Situ Evaluation of Drill Wear Using Tool Image Captured on Machining Center2024

    • Author(s)
      Furuki Tatsuya、Nagai Tomoki、Nishigaki Koichi、Suda Takashi、Kousaka Hiroyuki
    • Journal Title

      International Journal of Automation Technology

      Volume: 18 Pages: 181~188

    • DOI

      10.20965/ijat.2024.p0181

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] ダイヤモンドコートドリル表面上切りくず汚染の画像によるオンマシン検出2024

    • Author(s)
      加藤宏亮、古木辰也、西垣功一、須田貴志
    • Organizer
      砥粒加工学会 先進テクノフェア(ATF2024)
  • [Presentation] Development of on-machine drill wear measuring instrument using image analysis method2023

    • Author(s)
      Tomoki Nagai、Tatsuya Furuki、Koichi Nishigaki、Tamashi Suda、Hiroyuki Kousaka
    • Organizer
      The 25th International Symposium on Advances in Abrasive Technology
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

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