2023 Fiscal Year Research-status Report
Optimum design of reactive transport fields in fuel cells based on combined measurements using laser and X-ray and entropy mapping
Project/Area Number |
23K03692
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 耕介 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 准教授 (00397043)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 熱工学 / 燃料電池 / レーザ計測 / X線CT計測 / エントロピー生成解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
固体高分子形燃料電池(PEFC)の更なる高効率化を図るには、ガス流路および多孔質電極から成る流動・反応場の従来デザインを改良し、反応輸送プロセスに起因するエネルギー損失を極限まで低減する必要がある。そこで本研究では、レーザ分光やX線CT技術を用いた複合オペランド計測と多孔質電極内の反応輸送連成シミュレーションを一貫して行うことで、実作動状態PEFCの流路・電極内における全化学種の濃度、液水、温度分布を把握できるようにする。さらに分布データを活用して、反応・輸送各プロセスのエントロピー生成速度を局所的に解析し、エントロピー生成分布の3次元マッピングを行う。その上で、反応輸送場でのエネルギー損失の律速過程を特定し、エントロピー生成最小化のための新規電極流路構造を提案・設計することを目的とする。 2023年度は、実作動状態の燃料電池(PEFC)において、ガス流路および多孔質電極内の水蒸気・酸素・液水分布を同時にモニタリングできるようにするため、レーザ吸収分光法、蛍光消光法、マイクロX線CT技術を導入した「燃料電池複合オペランド計測システム」の開発を進めた。ガス流路内の水蒸気濃度測定では、波長可変半導体レーザ吸収分光法(TDLAS法)を応用し、水蒸気濃度を0.1秒の高速応答かつ±0.2 mol%の精度でリアルタイム多点測定できるようにした。酸素濃度測定については、蛍光消光法を採用し、1秒の応答時間かつ±0.07 mol%の精度で酸素濃度を定量化できるようにした。また、マイクロフォーカスX線CT装置を活用することにより、多孔質電極内における液水挙動を非破壊でイメージングできるようにし、さらに、X線ラジオグラフィー法およびデジタル画像処理技術により、カソード電極内の液水飽和率分布の定量評価を行えるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、実際の燃料電池の内部流動現象を解明するため、「燃料電池複合オペランド計測システム」を開発することを目標とした。レーザ分光やX線CT技術の導入により、発電条件下において電池内部の水蒸気・酸素・液水分布をin-situ(その場)で直接計測することに成功した。 以上の理由から、当初の計画通りに研究が進捗できていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、オペランド計測で得られた実験データをベースとして、実際の多孔質構造を考慮したガス拡散電極内の反応・輸送現象を再現する3次元数理モデルを構築し、数値シミュレーションを援用することにより、測定が困難な燃料電池(PEFC)多孔質電極内のガス濃度・液水・温度分布を物理現象に則して明らかにする。 さらに、計測と数値計算で取得した電池内部の化学種濃度・液水・温度分布データを活用することにより、実作動環境下のPEFC内における反応・輸送各プロセスのエントロピー生成速度を局所的に算出し、反応輸送場に対してエントロピー生成分布の3次元マップを作成できるようにする。
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Causes of Carryover |
設備備品として計上していた実験装置を他の予算で購入することができたため、次年度使用額が生じた。翌年度の助成金と合わせて、実験用消耗品の購入に使用する予定である。
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Research Products
(10 results)