2023 Fiscal Year Research-status Report
Total artificial heart with MR fluid transmission for the left-right flow rate balance
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23K03726
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
増澤 徹 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (40199691)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 磁気浮上 / 全置換型人工心臓 / MR流体 / 変速機 / 人工心臓 / 流量バランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では磁気浮上・回転する左右心用一体型インペラにMR流体変速機を組み込み、左心インペラ(駆動側)から右心インペラ(受動側)へのトルク伝達及び変速をMR流体を介して行うことで、左右心流量の個別制御が可能な全置換型磁気浮上連続流人工心臓を開発することを目的とする。 ○左右心ポンプの設計と人工心臓の製作:磁気浮上モータの磁気浮上ロータの両端に取り付ける左心用オープンインペラ、右心用オープンインペラ、それぞれの血液室、送血ボリュートの設計を行い、三次元造形機でポンプ部品を製作、ラジアル磁気支持型人工心臓として組み上げ、その磁気浮上特性、ポンプ基本特性を評価した。回転数1500から2800 rpmの範囲で最大振動振幅0.1 mmでの非接触磁気浮上,最大流量17L/minと人工心臓として十分な性能を確認した。 ○人工心臓の流量バランス制御方式の開発:オープンインペラを用いることで、磁気浮上ロータの両端に左心房圧と右心房圧を誘導し、受動安定である浮上ロータ軸方向位置情報を心房圧差情報として利用、流量制御の入力変数とする構造を検討した。永久磁石の大きさとモータステータの大きさの関係で圧力感受性が変わることが分かり、今後最適な組み合わせを検討する必要があることが判明した。 ○能動制御型/受動型のMR流体変速機の設計と性能評価:人工心臓に組み込める大きさ(φ50 x 15)で能動的にMR流体のトルク伝達特性を制御可能なハイブリッド型受動型MR流体変速機、大きさφ50 x 11の受動型のMR流体変速機の設計、製作、評価を行った。能動型は左心側2000 rpm 回転時に0.5 Aの印加電流で500 rpm(25%)分、右心側回転数を変速可能であった。受動型は左心側2000 rpm 回転時に2 mm程度の軸方向変位で200rpm(10%)分、右心回転数を変速できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りにラジアル磁気支持型人工心臓の設計、製作、評価、能動型/受動型MR流体変速機の設計、製作評価が行え、それぞれ十分な性能を発揮することを確認したため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の研究結果を基に各装置の改良、人工心臓へのMR流体変速機の組み込み、評価を行う。 ○磁気浮上モータの最適化:十分なトルク特性を保ったまま、心房圧差で軸方向に浮上インペラが移動するラジアル磁気支持型人工心臓の磁気浮上モータ形状、構造を検討する。 ○能動制御型/受動型MR流体変速機の人工心臓への組み込み:能郷制御型MR流体変速機を組み込むアキシャル磁気支持型人工心臓の設計、製作を行う。受動型MR流体変速機を組み込むラジアル磁気支持型人工心臓の設計、製作を行う・ ○循環系模擬水回路による基礎性能評価:人工心臓の流量制御性能を評価可能な循環系模擬水回路を設計、製作し、上記人工心臓の左右心バランス流量制御能の評価を行う。
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Causes of Carryover |
磁気浮上人工心臓の圧力感受性を検討するために、磁気浮上モータの改良が必要となったため、数種類のロータ・ステータ組み合わせを設計、製作する必要が出たため、永久磁石製作費相当額を次年度使用分に移行した。
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