2023 Fiscal Year Research-status Report
Wireless power transfer system operated in high-efficiency and constant-output-power for coil-array transmitter
Project/Area Number |
23K03800
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 洋和 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (40526406)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ワイヤレス電力送電 / AGV / マルチコイル |
Outline of Annual Research Achievements |
ワイヤレス送電システムはケーブル不要の電子機器の充電システムであり,携帯電話など の小型電子機器などの充電器として普及しており,またより高出力な電気自動車や物流センター等で使用される無人搬送車への充電方法として盛んに研究されている。本研究では4種のアレイ型ワイヤレス送電システムに申請者が考案した高効率で一定出力可能なシステムを適用し,実験にてその動作及び性能の確認を行うことを目的とする。 「120°配置アレイ型ワイヤレス送電コイル」及び「 90°配置アレイ型ワイヤレス送電コイル」は平面的に並べられた複数の送電コイルからなり、それぞれ前者は3つの相が後者は4つの相がコイルに割り当てられている。受電コイルが送電コイル群の上にある時、位置による電力変動を僅か5%台に抑制しながら約500Wの電力を送電できることを確認した。またその際の送電効率は、コイル間目地でも80%以上を示した。また移動する受電コイルに対する送電実験も行い、受電コイル位置に追従して電力一定制御が正常に働くことを確認した。 「 三相ワイヤレス送電コイル」は三つの相が割り当てられた複数のコイルを一列に並べた構造をもつ。位置による電力変動を僅か2%に抑制しながら約300Wの電力を送電できることを確認した。その際の送電効率は、平均84%であり、良好な結果が得られた。また受電コイルを無人搬送車に搭載し走行させながら、過渡動作も検証し、定常動作と変わりなく動作できることを確認した。またコイルセグメントの切替方法についても提案し、その一部について問題なく動作できることを実験から確認している。 「円筒型三相ワイヤレス送電コイル」:三相コイルを立体的に配置した送電コイルである。コイル周辺15cmで受電コイルの位置や角度を変えながら送電電力の測定を行い、約3Wの電力を受電コイルの位置や角度にある程度自由度を持たせながら受電できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「120°配置アレイ型ワイヤレス送電コイル」では、単純な動作実験に加えて、セグメント切替方法の提案やその動作検証の一部も繰り上げて終了しており、予定より早く研究が進んでいる。また研究結果の一部は論文としてまとめ、学術誌に掲載することができた。 「90°配置アレイ型ワイヤレス送電コイル」では、予定していた実験を全て繰り上げて実施することができ、早いペースで研究を進めることができた。 「三相ワイヤレス送電コイル」では、予定していた実験内容を全て繰り上げて実施し、また結果を論文としてまとめ学術誌で公表できており、すべての研究内容を繰り上げて修了することができた。 「円筒型三相ワイヤレス送電コイル」は予定に比べて、研究が進んでいない。その理由として現在のコイルでは送電効率が低く、また送電できる電力にも限界があるためである。 1テーマについて研究の遅れはあるものの、残り3テーマは計画より早いペースで研究を進めることができ、中には予定していた内容のすべてを実施したテーマもあり、おおむね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
「120°配置アレイ型ワイヤレス送電コイル」:送電コイルの切替制御において未実施の実験を行い、結果を論文としてまとめる。 「三相ワイヤレス送電コイル」:予定した実験をすべて実施したため、論文としてまとめ、公表する。 「三相ワイヤレス送電コイル」:予定していたすべての内容を既に実施しているが、未だ改善としては不十分であるため以下について追加で研究を進めることとする。受電コイルにフェライトを設置し、性能の改善を図る。また単相送電コイルを制作し、提案する三相送電コイルとの比較を行なう。 「円筒型三相ワイヤレス送電コイル」:次年度はコイル形状をより単純化し、送電電力を底上げし、送電効率の向上を図る。また、より高周波に対応したインバータを制作し実験にて動作検証を行う。
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Causes of Carryover |
円筒型三相ワイヤレス送電コイルのインバータ制作用に確保した予算であったが、他の研究が順調に進み注力したこともあり、こちらの研究に割く時間が減り、結果として制作まで手が回らなかった。研究が終了したテーマがあり、時間に余裕がでるため、次年度以降は遅れ分を取り戻す予定である。
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