2023 Fiscal Year Research-status Report
Unified Robust Control System Design for Regional Multi-Energy Systems Based on Multi-Dimensional Systems and Dissipativity
Project/Area Number |
23K03910
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
小島 千昭 富山県立大学, 工学部, 准教授 (00456162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薄 良彦 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40402961)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マルチエネルギーシステム / 配電ネットワーク / 温水ネットワーク / ロードヒーティング / 同期計測データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,配電ネットワークと温熱ネットワークの異種のインフラで構成される地域マルチエネルギーシステムを考える.令和5年度では,これまでの内容に引き続きこのような電力ネットワークを対象として,そのモデリング,解析,制御に関する項目(i)-(iv)の内容を遂行した. (i) ロードヒーティングを含む配電ネットワークに対して,配電損失の低減化,電圧変動の適正化,および効率的な融雪を同時に達成するスイッチング予測制御に関して,本研究課題の先行課題(対象を配電ネットワークに限定)である科学研究費基盤研究(C) 20K04552による成果を,シミュレーション条件や検証内容を含め発展させて,学術論文誌と国際会議へと投稿を行った. (ii) 項目(i)の成果を蓄電池も含む配電ネットワークへと発展させて,スイッチング予測制御を導出し,数値シミュレーションを通じて,その妥当性や有効性を検証した.本成果は,計測自動制御学会第11回制御部門マルチシンポジウムにおいて発表を行った.さらに, 学術論文誌と国際会議への投稿を,現在準備中である. (iii) 発熱機器,蓄熱機器,消費機器を有する複数の拠点からなる温水ネットワークに対して,実時間価格提示を利用した分散型運用方策による制御の検討を行った.この成果は,国内学会での発表や学術論文誌への投稿を,現在準備中である. (iv) 配電ネットワークにおける電圧振幅の同期計測データに対して,非線形力学系のクープマン作用素とその推定技法である動的モード分解による学習や低次元化に関する検討を行った.さらに,研究分担者らが所属する大学キャンパスで計測された時系列データへの適用について議論を行った.本成果は,電子情報通信学会非線形問題研究会において発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度では,「研究実績の概要」で説明したように,実際の応用の観点で,本研究課題で想定する地域マルチエネルギーシステムとモデリングと制御に関する一連の取り組みを行った.その結果,学術論文誌,国際会議への投稿や国内学会への発表に着手できる段階までは到達できた.しかしながら,想定する地域マルチエネルギーシステムのモデリングと制御の統一的な枠組みへの着手までには至っていない.これらを総合すると,現在までの進捗状況は,おおむね順調に進展していると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
はじめに,理論面においては,想定する地域マルチエネルギーシステムのモデリングと制御の統一的な枠組みは,本研究課題の根幹をなすため,早急にその確立を行う.さらに,この枠組みを,安定関解析,ロバスト制御系設計,数値最適化に基づくロバスト制御系設計へと発展させる.また,応用面においては,ロードヒーティングを含む配電ネットワークのスイッチング予測制御,配電・温水ネットワークの分散・協調制御に関しては,令和5年度の成果の学術論文誌などへの発表を積極的に行う.最後に,同期計測データの動的モード分解による学習や低次元化に関しては,成果発表だけではなく実際への応用に資する解析技術へと昇華させる.
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Causes of Carryover |
令和5年度は,研究代表者による令和4年度からの繰り越し課題である科学研究費基盤研究(C) 20K04552の成果発表にも注力していたため,本研究課題で当初予定していた国際会議や国内会議への参加による情報収集や研究打ち合わせなどを十分に実施できなかった.また,令和6年度中に海外で開催される国際会議に投稿しており,発表を想定した場合渡航費を確保しておく必要があった.これらの残額は,令和6年度において,国際会議での情報収集・成果発表も含め,当初執行予定であった費目に充当する予定である.
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