2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation on surface microstructure of steam-cured fly ash concrete and enhancement of the durability by internal curing
Project/Area Number |
23K03986
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小川 由布子 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (30624564)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | フライアッシュコンクリート / 蒸気養生 / 内部養生 / 表層品質 / 耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
早強ポルトランドセメントの使用および蒸気養生により初期強度を補填したフライアッシュコンクリートの活用が検討されている。しかし、蒸気養生したコンクリートの表層組織は従来の養生を行ったコンクリートと比較して粗となったり微細ひび割れが発生したりする可能性があり、耐久性の低下が懸念される。本研究は、内部養生により塩分浸透抵抗性および中性化抵抗性を向上させた蒸気養生フライアッシュコンクリートの性能評価を目的とする。2023年度は、フライアッシュコンクリートの組織構造に対する蒸気養生および内部養生の影響評価を行った。フライアッシュはJIS A 6201のII種に適合するものを、セメントは早強ポルトランドセメントを使用し、水結合材比を40%、フライアッシュ置換率を0%、20%、内部養生材置換率を0%、20%としたコンクリート供試体を作製した。内部養生材は、使用および研究実績のある規格外瓦を破砕した廃瓦細骨材を利用した。養生は、プレキャストプレストレストコンクリート部材を想定した蒸気養生(最高温度50℃、材齢1日に脱型し20℃・60%RHの恒温恒湿室に静置)および20℃封緘養生とした。所定の材齢において、表層から5 mmずつ2.5 mmから5 mmの試料を採取し、細孔径分布試験を行った。また、トレント法による透気試験を実施した。この結果、蒸気養生したフライアッシュコンクリートは、長期材齢において、表層15 mmの領域と比較して、これより深い領域の組織が緻密になることが明らかとなった。また、内部養生することにより、表層および内部の組織が継続的に緻密化することが示され、この効果はフライアッシュを混和していないコンクリートにおいて顕著であった。フライアッシュを混和していないコンクリートの表層透気係数は、内部養生により小さくなったが、フライアッシュコンクリートの場合にこの効果は小さかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示したとおり、蒸気養生したフライアッシュコンクリートを対象とし、細孔構造および表層透気係数に対する内部養生の効果を把握することができた。これは計画どおりであり、予定通り終了しており概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、物質移動抵抗性に対する内部養生の効果を検討する。コンクリートは前年度と同様のものを対象とし、塩水浸せき試験および促進中性化試験を実施し、蒸気養生したフライアッシュコンクリートの物質移動抵抗性を評価する。また、2023年度に得られた細孔構造および透気係数の結果と耐久性指標の関連を分析する予定である。
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Causes of Carryover |
一部の供試体について長期材齢における検討を次年度行うため、この廃棄費用を次年度に使用することとした。
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Research Products
(3 results)