2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of Ground-Structure Interaction for Improving the Accuracy of Seismic Assessment of Urban Underground Structures
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23K04030
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
西岡 英俊 中央大学, 理工学部, 教授 (50450747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 淳 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 鉄道地震工学研究センター, 上席研究員GL (70345388)
山栗 祐樹 中央大学, 理工学部, 助教 (30972062)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 耐震設計 / 地中構造物 / 応答変位法 / 模型実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,矩形地中構造物の大規模地震時の地盤-構造物間相互作用について,地盤と構造物の剛性比を変化させた模型実験を体系的に実施し,未解明であった剛性比に応じた地盤の局所的な非線形化挙動の違いを明らかとすることで,広範な剛性比の挙動も説明可能な普遍的なメカニズムを解明し,耐震設計・耐震補強における診断精度を向上させることを目的とする。 1年目(2023年度)は,砂の非線形挙動(ひずみレベル依存性やひずみの局所化)を再現可能なアルミ棒積模型地盤中に函体模型を埋設し,せん断土槽により静的に一方向にせん断変形を生じさせる模型実験(静的せん断実験)を体系的に実施した。主たるパラメータは,函体模型剛性および支持層への着底の有無である。また,実験条件を再現するFEM解析(地盤・函体は弾性,函体表面の摩擦挙動はジョイント要素で考慮)のほか,通常の設計実務で用いられている応答変位法で剛性比を広範に変化させたパラメトリックスタディーを実施した。 模型実験結果とFEM解析結果の比較より,支持層に着底した条件では,函体剛性が地盤剛性よりも大きくなるほどFEM解析結果より模型実験の方が函体のひずみが小さくなる傾向が確認できた。すなわち,地盤の非線形挙動の影響の大きさに剛性比が支配的であることが確認できた。 また,応答変位法の地盤および函体を弾性体と仮定した近似解(概ね弾性FEM解析と一致することは確認済み)との乖離の有無を確認した結果,函体剛性が地盤剛性よりも小さくなほど乖離が大きくなり,函体のひずみを過小評価する傾向が確認できた。 これらの結果から,地盤と函体で剛性が異なる条件において,矩形地中構造物の耐震設計・耐震補強の診断精度を従来より向上させる余地があることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展しているが,模型実験では函体模型設置時の初期状態を揃えることが難しく,高度な実験ノウハウの蓄積が必要となっている。いくつかの実験ケースについては,初期状態の統一に失敗しており,2024年度前半に再実験を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(2024年度)は,交付申請書に記載の通り,アルミ棒積層地盤をせん断土槽ごと振動台に乗せて,実際に加振実験を行う。実験パラメータや測定項目,再現解析の方法は1年目 と同様である。
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Causes of Carryover |
1年目に計上していた函体模型改造材料費の一部について,せん断土槽との取り合いなどの調整が未完了のため仕様が確定しきれなかったため。 差額分は2年目に実験を実施ながら仕様を確定させて,函体模型改造材料費として使用する。
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