2023 Fiscal Year Research-status Report
Multimodal assessment of hydrogen embrittlement in grain boundary engineered materials using X-ray CT and XRD
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23K04360
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平山 恭介 京都大学, 工学研究科, 助教 (70717743)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 粒界 / 水素脆化 / X線CT / XRD |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元/4次元解析と統計解析を組み合わせた手法を用いることで,粒界性格制御した構造材料の水素脆化抑制効果を検討し,水素脆化に対する最強・最弱組織を明らかにするために,初年度には放射光実験および組織パラメータの取得を実施した。 具体的には,圧延・熱処理により粒界性格制御により対応粒界頻度を変えたニッケル合金2種,水素チャージの有無の2種の計4種類の試料を作製した。しかしながら,対応粒界頻度の上昇量は10%に留まった。 作製した試料をSPring8で放射光実験に供した。放射光実験は,XRDとX線CTを用いたその場引張試験を行った。その結果,水素による延性の低下が粒界性格制御により10%程度、抑制することができた。しかしながら、粒界性格制御材,未処理材ともに水素よって引き起こされる粒界割れの頻度については大きな差は見られなかった。一つの原因として未処理材の結晶粒径が制御材と比較して小さいことによって,粒界に水素がトラップされて起こる粒界割れが抑制されたと考えられる。もう一つの要因としては、水素チャージから数日経過してからの試験であったため水素が抜けていることも考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
放射光実験による未処理材,制御材,それぞれに対して水素の有無の4つの試験を行ったものの水素チャージ試料において粒界割れがほとんど見られなかったため材料の比較が不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については,試料作製段階から粒径に注意し,同程度の結晶粒径を有する材料の作製に取り組むとともに水素チャージ前後の水素分析,水素が材料から抜けないように低温での保管を行うことで水素量にも注意を払う。
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Causes of Carryover |
SPring8の実験課題が採択されたため利用料が発生しなかったため,次年度使用額が生じた。本年度もSPring8利用を予定しおり,その使用料に充てる予定である。
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