2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Ambident Anthracene Method for Systematic Synthesis of Large Iptycenes
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23K04735
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩田 隆幸 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (00781973)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | イプチセン / トリプチセン / ambidentアントラセン / ベンザイン / 環化付加 |
Outline of Annual Research Achievements |
イプチセンは、プロペラ型分子トリプチセンを単位構造とする分子であり、その剛直な3次元構造を活かした多様な機能性分子の開発が期待されているが、合成法が限られている。本研究では、アライン部位とanthranoxide(求アライン体)部位を分子内に併せ持つ「ambidentアントラセン」を利用して、イプチセンの汎用的かつ系統的な合成法の開発を目指している。本年度では、ambidentアントラセン等価体の開発について検討した結果、2,3-ジブロモ-9,10-エポキシアントラセンがアラインおよびanthranoxideの前駆体として機能することを見出した。さらに、これを用いてトリプチセン骨格の構築とその拡張を検討したところ、史上最長の鎖状イプチセンであるトリデシプチセンの合成に成功した。得られたトリデシプチセンのX線結晶構造解析からは、溶媒分子が入り込むことで平面構造をつくり、これが3次元的に積み重なることで、全体としてハニカム型の筒状構造をつくることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りにambidentアントラセン等価体を見出すことに成功し、また、これをイプチセンの合成へと利用することを達成した。おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、もう一つの目標である環状イプチセンの合成に注力する。環化させるための条件について検討する。また、官能基化イプチセンの合成を目指し、置換基をもつambidentアントラセンの開発も検討する。
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Causes of Carryover |
当初の計画よりも消耗品費がかからなかった。繰越分は次年度に消耗品費として使用する。
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Research Products
(20 results)