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2023 Fiscal Year Research-status Report

自然免疫分子STINGの輸送を駆動する小胞体-ゴルジ体接触領域の時空間解析

Research Project

Project/Area Number 23K05697
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

茂谷 康  徳島大学, 先端酵素学研究所, 准教授 (70609049)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
KeywordsSTING / ACBD3 / オルガネラコンタクト
Outline of Annual Research Achievements

小胞体膜タンパク質STINGは、細胞質DNAに応答して活性化するとゴルジ体へ移行し、自然免疫シグナルを誘導する。これまでに私は、STINGの輸送を制御する新規分子ACBD3を同定した。そこでACBD3を介したSTINGの輸送機構を明らかにするため、超解像ライブセルイメージングを行った。その結果、STINGが活性化に応じてゴルジ体タンパク質ACBD3と相互作用することで小胞体とゴルジ体の膜接触領域に集積し、その後ゴルジ体へ移行することを示した。一方、ACBD3欠損細胞を作製して解析した結果、ゴルジ体への移行は遅延するが完全には抑制されないことがわかった。このことから、ACBD3に依存しない別のSTING輸送経路が存在する可能性が示唆された。そこでACBD3が欠損した場合、活性化したSTINGはどのようにゴルジ体へと移動するのかを解析した。小胞体からゴルジ体への輸送は極めて高速に起こるため、その動きを正確に捉えることは困難である。そこで、brefeldin A (BFA)と呼ばれる阻害剤の投与により、活性化したSTINGが小胞体から脱出できない状態を人工的に作り出し、高解像共焦点顕微鏡を用いてその様子を可視化した。その結果、活性化したSTINGはACBD3が無い場合においては、小胞体膜上の特定の領域に集積することを見出した。一般的に、小胞体からゴルジ体へ輸送されるタンパク質は、小胞体出芽部位 (ER exit sites: ERES)と呼ばれる小胞体膜領域に一旦集められ、ゴルジ体へ運ばれることが知られている。今回見出したSTINGの集積領域がERESであるのか、小胞体-ゴルジ体接触領域であるのか、現在さらなる解析を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

小胞体とゴルジ体の膜接触領域におけるSTINGとACBD3のライブセルイメージングを行うことで、両者のおおまかな相互作用動態を追うことはできたが、どのようにしてゴルジ体膜側へ移っているのかなどの微細な現象を捉えることができていない。これは小胞体とゴルジ体間の空間が非常に狭く、当初予定していたイメージングの手法では空間分解に限界があるためだと考えられる。したがって空間分解能をさらに高める工夫をして解析する必要がある。また、STINGに蛍光タンパク質を融合してそれを過剰発現すると、小胞体からゴルジ体への移行速度が低下することが判明した。本来の分子の動きを忠実に再現するためには、融合する蛍光タンパク質の種類や融合する位置、発現レベルなどを考慮して解析し直すことが必要であると考えている。以上のことから本研究の進捗状況はやや遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

1.近年開発された膨張顕微鏡法は、観察試料を固定・架橋後にゲル化して膨潤させることにより、特別な顕微鏡を用いることなく分解能を高めることができる画期的な手法である。したがって今後はこの膨張顕微鏡法と超解像顕微鏡を組み合わせて観察することにより、これまで小胞体-ゴルジ体接触領域内においてSTINGとACBD3が点状に重なってみえていただけのものが、より微細な構造体として可視化できるのではないかと考えている。
2.ライブセルイメージングにおいてはSTINGやACBD3の動きを正確に捉えるため、最適な蛍光タンパク質を選ぶとともに、蛍光タグタンパク質を目的の遺伝子座にノックインして内在レベルで発現させる方法を試みる。
3.近接ビオチン標識法を用いてACBD3非依存的にSTINGが小胞体から脱出する領域を特定する。

Causes of Carryover

(理由)計画していたイメージング実験で生じた問題を解決するための解析や、予定外に得られたACBD3非依存的なSTING輸送経路の成果を発展させるための解析を次年度に実施することになり、次年度使用額が生じた。
(使用計画)膨張顕微鏡法やタグ化する蛍光タンパク質の検討、ノックイン細胞の作成、近接ビオチン標識法に要する消耗品が多く必要になると予想されるため、次年度研究費と合わせて使用する計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 自然免疫分子STINGのオルガネラ間移行を駆動する小胞体ーゴルジ体コンタクトサイト形成因子の同定2023

    • Author(s)
      茂谷 康、田良島 典子、西野 耕平、山内 駿弥、南川 典昭、小迫 英尊
    • Organizer
      第75回日本細胞生物学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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