2023 Fiscal Year Research-status Report
A new mechanism of drug selectivity for dopamine receptor
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23K06357
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 到ヒョン 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50721883)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | GPCR / ドパミン受容体 / D2R / 抗精神薬 / 統合失調症 / Cryo-EM / 構造生物学 / 薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
Gタンパク質共役受容体(GPCR)であるドパミン受容体は、神経細胞末端において神経伝達物質ドパミンを受け入れることで、知覚や情動などの脳機能を調節する重要な膜タンパク質である。5種類のドパミン受容体のうち、ドパミンD2受容体(D2R)の拮抗薬や逆作動薬は、主要な統合失調症治療薬として抗精神薬に使われている。しかし、D2Rシグナルの過剰な遮断によって錐体外路症状などの副作用が生じることから、新しい薬理学的特性を持つ抗精神薬の開発が求められている。我々は、先行研究で得られたD2Rと抗精神薬(逆作動薬)の結合情報に基づき、D2Rには様々な形のリガンド結合ポケットが存在するという仮説を立てており、その仮説を検証するため、本研究を実施しています。本年度には、D2Rと結合情報が未解明の抗精神薬との複合体構造を明らかにするために、必要なD2Rの安定コンストラクトの作製、抗体の作製、タンパク質の大量生産、および高純度精製などの手法を用いて、目的のタンパク質を手に入れることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね、計画どおりに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
高純度に精製した目的タンパク質を用いてクライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)を用いた単粒子解析を行う。得られたデータで構造解析を進める。
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Causes of Carryover |
次年度以降の研究実施予定を考慮したため、次年度使用額が発生した。次年度計画中の構造解析などの実施に使用する予定。
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