2023 Fiscal Year Research-status Report
インターロイキン21によるエストロゲン産生と乳がん発生機構の解明
Project/Area Number |
23K06606
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
浅尾 裕信 山形大学, 医学部, 教授 (80250744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 裕司 山形大学, 医学部, 准教授 (90302299)
斉藤 真一 山形大学, 医学部, 助教 (90536674)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 乳癌 / IL-21 / アロマターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌は女性が罹患するがんの中で最も多く近年さらに増加傾向にある。閉経後肥満症はヒト乳癌のリスク因子の一つであり、脂肪組織由来のエストロゲンがその主な要因と考えられる。しかし、肥満による乳癌発生についてその詳細は不明である。私達はインターロイキン21(IL-21)の機能解析のため、膜型IL-21をT細胞特異的に発現するマウス(IL-21isoTg)を作成した。このマウスでは脂肪組織と血中エストロゲンが増加し、乳腺組織の異形成が進むこと、さらに生後12ヶ月ころから乳腺腫瘍が高頻度で発生することを発見した。 IL-21が脂肪組織を介してエストロゲンの産生亢進をおこすのかどうかを解明するため、3T3-L1脂肪細胞株を用いて解析を試みている。3T3-L1脂肪細胞株にはIL-21受容体がわずかではあるが発現していることを確認した。そこでこの細胞にIL-21を加えてSTAT3やERK1/2といった細胞内情報伝達分子の活性化が起こるのかどうかをフローサイトメトリーを用いて検討してみたが、現在までのところシグナルが入るいう結果は得られなかった。 一方マウス乳腺上皮細胞を野生型マウスとIL-21isoTgとで比較したところ、エストロゲン受容体α鎖の発現が、IL-21isoTgで有意に亢進していることがわかった。エストロゲン受容体α鎖の亢進は、乳腺腫瘍の発生に重要な意味を持つことが知られている。エストロゲン受容体β鎖については、乳腺腫瘍発生には抑制的に作用すると報告されているが、IL-21isoTgでは野生型と比較してその発現に差は無かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3T3-L1細胞はIL-21に反応し、IRF4などの転写活性化を変化させることが報告されている。しかし、私達が行った実験ではこれまでのところ、3T3-L1細胞がIL-21に対して反応するデータは得られていない。既報との違いを今後解明する必要がある。シグナルが入ることが確認できれば、エストロゲンを作るアロマターゼの活性化等について解析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型とIL-21isoTgを用いた解析で、それぞれの乳腺上皮細胞を回収し、RNAを抽出して遺伝子発現の網羅的解析を試みる予定である。 また、IL-21を直接野生型マウスの皮下脂肪組織に投与し、アロマターゼなど何らかの変化が起こるのかどうかを解析している。
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Research Products
(1 results)