2023 Fiscal Year Research-status Report
SR-PETによる各種腫瘍のSSTR発現評価とPRRT適応可能性の検証
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23K07206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河井 可奈江 (三宅可奈江) 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60812641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 裕士 京都大学, 医学研究科, 教授 (20360844)
志水 陽一 京都大学, 医学研究科, 講師 (90634212)
片岡 正子 京都大学, 医学研究科, 講師 (10611577)
高田 正泰 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50452363)
戸井 雅和 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 乳腺外科, 院長 (10207516)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | SSTR / PRRT / 腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年6月、本邦でルテチウム標識 DOTATATEと言われる放射性医薬品が製造販売承認を得て、神経内分泌腫瘍を対象にしたペプチド受容体放射性核種治療(PRRT)を臨床現場で施行できるようになった。これはソマトスタチン類似物質にベータ(β)線とガンマ(γ)線を放出するルテチウム(Lu)-177という核種をつけた製剤で、腫瘍表面のSSTRを標的として細胞内に取り込まれ、β線の殺細胞効果で治療効果を得るものである。PRRTは化学療法に比べると副作用は少なく、患者のQOLも高いとされる。近年、このような核医学的技術を応用した治療は、DiagnosisとTherapyをあわせて「Theranostics」と呼ばれる。世界ではその重要性が理解され、欧米では行政とアカデミアの協力体制のもとで供給整備や知見の着実な蓄積により、複数の治療法が臨床で検証されるに至っている。 一方で、Theranosticsは高額な上に、放射性医薬品であるがために治療設備や供給体制の整備が必要で、実施できる症例数には限りがある。また、新しい治療であるため、Theranosticsに過度な期待があることも事実である。Theranosticsを効果的・効率的に医療に生かすには、治療効果が十分に期待される症例を適切に選択していくことも喫緊の課題であり、Theranosticsの拡大と同時に検証していく必要がある。 SSTR発現は神経内分泌腫瘍に主に観察されるが、実はその他にも様々な腫瘍においてSSTR発現が報告されている。しかし、システマチックな検証は十分とは言えず、現在PRRTの適応となっている神経内分泌腫瘍と比較してSSTRの発現頻度・程度などにどのような違いがあるのか未解明な部分が多い。 本研究では、将来的にPRRTの治療効果予測に繋げられるよう、各種腫瘍におけるSSTR発現にどのような違いがあるのかを検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当院にある既存のDOTATOC PET画像を用いて、MRIをreferenceとして、個体内の多発病変の腫瘍集積のHeterogeneityについて後ろ向きの検証を開始した。また、国際多施設共同研究に参加し共同研究者と会議を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きDOTATOC PET画像の後ろ向き研究を継続し、病理免疫組織学的染色結果との対比を行う。またこの結果をもとに前向き臨床研究を検討する。
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Causes of Carryover |
当初は臨床研究と動物実験を予定していたが、まずは臨床研究のみの実施から開始したため。
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