2023 Fiscal Year Research-status Report
肺動静脈奇形に対する新たな塞栓術:内膨潤型ハイドロコイルによる標準治療の確立
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23K07210
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
下平 政史 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60597821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 夏夫 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60643781) [Withdrawn]
中川 基生 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60590982) [Withdrawn]
河合 辰哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70597822) [Withdrawn]
樋渡 昭雄 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30444855) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ハイドロコイル |
Outline of Annual Research Achievements |
肺動静脈奇形に対するコイル塞栓術後の再開通は、脳梗塞の原因となるため、それを防止すること重要である。私たちは、コイル周囲にハイドロゲルポリマーがコーティングされ、血液に触れると外側に膨潤する「ハイドロコイル」を用いた新たな塞栓方法を開発した。これにより再開通をゼロにすることに成功し、世界に先駆けて報告した。しかし、このハイドロコイルは、従来のコイルより硬く、手技が複雑化し熟練を要するという問題点があり、標準治療となるには至っていない。そこで私たちは、再開通を生じない塞栓力を保ちながら、どの施設でも施行できる塞栓術の開発が必要と考えた。近年使用可能となった「内膨潤型」ハイドロコイルは、ハイドロゲルを内側に充填することでコイルの柔軟性を確保した、新型のハイドロコイルである。本研究では、この内膨潤型ハイドロコイルを用いた塞栓術の方法を樹立し、肺動静脈奇形に対する再開通しない塞栓術を標準治療として確立する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに施行された外膨潤型ハイドロコイルによる塞栓術のデータより、必要コイル長を明らかにするための後方視的研究を行った。この結果をもとに、肺動静脈奇形のサイズごとに必要な内膨潤型ハイドロコイル長を算定した。現在は肺動静脈奇形に対して内膨潤型ハイドロコイルを用いた塞栓術の症例を集積を開始している。現在までに3症例に施行し、いずれも合併症なく手技を終了している
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Strategy for Future Research Activity |
今後、さらに肺動静脈奇形に対する内膨潤型ハイドロコイルを用いたコイル塞栓術の症例を集積する。それらの症例の経過観察中にMRIを用いた再開通診断を行う。このデータより内膨潤型ハイドロコイルを用いたコイル塞栓術の再開通率を明らかにし、過去の外膨潤型ハイドロコイルによる塞栓術の成績と比較することで、内膨潤型ハイドロコイルの有用性を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
研究のデータ解析を行う機材を購入予定であったが、研究代表者の施設が変更となったため、購入が遅れた。今後、購入の予定である。
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