2023 Fiscal Year Research-status Report
Anti-aging factor spermidine protects the kidneys and the whole body
| Project/Area Number |
23K07675
|
| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鳥巣 久美子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20448434)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 敏昭 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10432931)
土本 晃裕 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (50572103)
秋本 卓 九州大学, 大学病院, 臨床検査技師 (50816618)
|
| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
| Keywords | アルギニン代謝 / スペルミジン / ポリアミン / 腎障害 / 尿細管細胞 / 加齢 |
| Outline of Annual Research Achievements |
アルギナーゼ2(ARG2)はL-アルギニンを分解する酵素であり、血管内皮細胞、腎尿細管、マクロファージに特に高く発現し、様々なストレスにより発現が誘導される。これまで我々はARG2ノックアウトマウスを用いて、急性腎障害ではARG2を欠損すると腎障害が軽減し、慢性腎障害ではARG2を欠損すると線維化が増悪することを明らかにした。急性期には過剰な活性酸素の産生を抑制し、慢性期にはシグナルとしての適切な量の活性酸素の産生が必要であり、その細胞内の活性酸素産生の制御にアルギニンに由来するスペルミジンなどのポリアミンの代謝が関与すると仮説をたてた。スペルミジンは抗加齢因子であり、マウスの腎臓線維化に限らず腸炎、老化もスペルミジン投与により改善する。 抗加齢因子としてのスペルミジンの細胞への保護効果を明らかにするため実験を進めている。しかし一定濃度のスペルミジンやスペルミジンから代謝されたアクロレインを尿細管細胞に投与すると細胞死を起こすことが分かった。またその細胞死はフェロトーシスである可能性が高く現在証明を進めている。またスペルミジンを添加した時のミトコンドリア代謝を解析している。 スペルミジンの抗加齢因子の性質を踏まえ、若年(8週令)と中年(30週齢)マウスの腎臓内アルギニン代謝物を比較した。慢性腎障害モデルの一側尿管結紮マウスにおいて若年マウスの腎臓ではアルギニン代謝が活性化するが、中年マウスの腎臓ではスペルミジン、スペルミン、アクロレインの代謝物である3-HPMAが増加せずむしろ減少していることがわかった。 培養では活性酸素キーワードにしたスペルミジンによる細胞死や細胞保護機構の解明、個体では年齢によるアルギニン代謝の変化を明らかにする目標をたてている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一時的に実験を遂行できる人数が減ったため。今年度より予定通りの人数で培養細胞とマウスの実験を進めていく。
|
| Strategy for Future Research Activity |
尿細管細胞だけでなくマクロファージにおいても、スペルミジンによる細胞死と細胞保護の機序解明を行う。スペルミジンだけでなくポリアミン類のプトレシン、スペルミン、またこれらの変換酵素であるスペルミジンオキシダーゼ(SMOX)やポリアミンオキシダーゼ(PAOX)にも対象を広げ、どれが活性酸素産生や細胞死、細胞保護の律速因子かを明らかにする。また加齢マウスでの若年と比較したアルギニン代謝物の変化を明らかにし、不足する代謝物に関しては外的な補充によって加齢が克服できるかを明らかにする。
|