2023 Fiscal Year Research-status Report
癌・精巣特異的嗅覚受容体を介した癌転移機構の解明と臨床応用
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23K07801
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武井 則雄 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50523461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 明伸 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (30438048)
桜井 敬之 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (80317825)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | GPCR / 精巣 / ゲノム編集 / 嗅受容体 / KOマウス / KIマウス / 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
嗅覚受容体であるolfactory receptor family 7 subfamily C memberは、癌細胞および正常組織では精巣において有意に発現することが報告されている機能未知のG protein coupled receptor (GPCR)である。本研究ではこの嗅覚受容体の基礎的な知見を得ることを目的とし、遺伝子改変細胞およびマウスを用いた機能解析を行った。まず、本分子の主要なシグナル経路およびそのリガンドを同定することを目指し、既に樹立済みの遺伝子欠損マウス(KOマウス)を用いた個体レベルでの表現型解析を進めた。これまでの基礎的な表現型(成長、生化学、血液学的解析など)解析の結果に加え、精巣特異的発現の意義を明らかにするため、発現の認められる器官の内、精巣を中心に表現型解析を進めた結果、生殖能においてKOマウスと野生型で有意な差が認められた。このことから、本分子は生殖細胞系列において重要な機能を有していることが示唆された。また、新たに複数の遺伝子欠損癌細胞株においてその増殖能などの変化を解析した結果、これまで同様、KOによる抑制効果が認められた。次に、作用機序解明へ向けた、遺伝子挿入(KI)の系を立ち上げた。いくつかのエピトープタグおよびレポータータンパクを標的遺伝子座のエクソン領域末端に挿入したKI細胞およびマウスの樹立を試み、その挿入・発現を検出系で確認した。加えて、リガンド同定に関しては、リガンドスクリーニングを行い、いくつかのリガンド候補を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回樹立し、解析を進めているKIシステムの系において、検出感度向上を目指し、再構築を行っているため、それを用いた相互作用分子を同定などの実験系の進捗に遅れが生じている為。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きKI系の検出系に関しては検証を行うとともに得られたKOおよびKI細胞・マウスを用いた、相互作用分子同定へ向けた解析を行う。また、リガンド候補から、現在までに得られている表現型と生物学的にも妥当である候補に関して整合性の検証を行うとともに、既に得られているマイクロアレイ解析等の結果も踏まえ、主要シグナル経路の同定を目指す。 また、KIの系とは別に、検出系を樹立する為有用抗体が存在しないことから、OR7C1ホモログintactなKOマウスを宿主とした特異的かつ種々の用途に使用可能な抗体作成に関しても引き続き進める予定である。
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Causes of Carryover |
前述の理由に伴い、KIシステムを用いた実験系に使用する解析用消耗品等の購入を次年度に持ち越したため。
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Research Products
(1 results)