2023 Fiscal Year Research-status Report
膠芽腫の増殖抑制を目的にmicroRNA含有ナノ粒子によるセリン合成経路の新規抑制療法
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23K08501
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中溝 玲 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80529800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有村 公一 九州大学, 大学病院, 講師 (00638025)
村田 正治 九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 教授 (30304744)
吉本 幸司 九州大学, 医学研究院, 教授 (70444784)
高岸 創 九州大学, 大学病院, 助教 (70965243)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | glioblastoma / microRNA / miR149-5p / miR615-5p / MTT assay / Western blotting / SHMT2 / PSPH |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、膠芽腫におけるセリン合成経路のkey enzymeであるPSPHおよびSHMT2を標的とするmiRを選択し、 in vitroにおいて膠芽腫に対する増殖抑制効果、発現レベルの抑制効果を検証した。 他のがん種においてPSPHおよびSHMT2の発現を抑制する作用が報告されているmiRのうち、我々の予備実験において膠芽腫細胞における発現が低いmiR-149-5、miR-615-5pを候補miRとした。 増殖能はMTT assayで評価した。miR-149-5、miR-615-5p をtransfectした結果、negative controlをtransfectしたU87と比較し、1日間の培養では増殖能に差はみられなかったが、2-5日間の培養でmiR-149-5p、miR-615-5pをtransfectしたU87の増殖能が抑制された。 発現レベルはWestern blottingで評価した。上記MTT assayにおいて増殖能がより強く抑制されたmiR-149-5pをtransfectしたU87 において、negative controlをtransfectしたU87と比較し、SHMT2の発現が抑制されており、PSPHの発現も低減傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書において、2023年度は候補となるmiRを選定し、膠芽腫細胞にtransfectして、PSPHおよびSHMT2の発現レベルの変化と増殖能の変化を検証する予定であった。そのうえで、最もPSPHおよびSHMT2の発現を抑制し増殖抑制作用が強いmiRを同定する方針であった。PSPHとSHMT2の発現レベルはWestern blotting、増殖能はMTT assayにて検討する予定としていた。結果として、候補としたmiRのうち、第一候補のmiR149-5pをtransfectしたU87細胞株において、MTT assayで増殖能が抑制され、Western blottingでSHMT2とPSPHの発現が抑制されることを確認した。また、miR615-5pをtransfectしたU87細胞株において、MTT assayで増殖能が抑制されることを確認した。培養条件、miRの濃度、検体数において今後も実験を継続する必要はあるが、2023年度の計画を概ね遂行できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実験の結果より、10µMおよび20µMに調製したmiR149-5pをtransfectしたU87細胞株において、MTT assayで増殖能が抑制され、Western blottingでSHMT2の発現が抑制されることを確認したが、miRの濃度を変化することでも同様の結果が得られるか検証する。さらに、膠芽腫に指向性を有するナノパーティクル(NP)を開発すると同時に、レンチウイルスベクターを用いたmiRを強発現した間葉系幹細胞(MSC)を作製する(miR-MSC) 。また、膠芽腫モデルマウスの開発を検討する。
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Causes of Carryover |
予定よりも早くmiRの選定が可能であったことから、次年度使用が生じた。次年度は、miRの濃度を変更してMTT assayやWestern blottingを行い、増殖能や発現レベルが抑制されるか検証する。delivery systemであるNPの開発および膠芽腫モデルマウスの開発に使用する。
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