2023 Fiscal Year Research-status Report
幼若期の甲状腺ホルモンによる精子形成機序の解明と男性不妊症の新規治療への応用
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23K08742
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
松本 大輔 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30906540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 大貴 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00620931)
西尾 英紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (10621063)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40238134)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
丸山 哲史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50305546)
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70448710)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 精子幹細胞 / 甲状腺機能低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
男性不妊の主な原因は特発性の精子形成障害であり、その機序は解明されていない。精子形成において、幼若期に前駆細胞から分化してできる精子幹細胞は重要であり、この分化・増殖障害が精子形成障害に繋がる。私たちは甲状腺ホルモンと精子形成との関連に着目し、甲状腺機能低下症を合併した停留精巣患児で精子幹細胞数が多いことを見出した。即ち停留精巣であっても精子幹細胞数が保たれているため、精子形成障害を回避できることが示唆される。しかし、幼若期の精子形成に対する甲状腺ホルモンの作用機序は明らかでない。そこで本研究では、幼若期における前駆細胞から精子幹細胞への分化・増殖に対する甲状腺ホルモンの作用機序の解明を試みる。本研究の成果により、甲状腺ホルモン値を用いた男性不妊に対するリスク予測や、甲状腺ホルモン関連薬を用いた新規治療薬への応用が期待できる。 研究計画に沿って、動物実験をおこなっており、プロピオチルウラシルを親ラットに自由飲水させることで、新生仔ラットに以降させて、甲状腺機能モデルラットの作成を試みた。新生仔の血中T3、T4、TSHを測定した結果、甲状腺機能低下ラットを作成できたことを確認した。 これらの甲状腺機能低下ラットの精巣では、精巣サイズがわずかに小さい傾向がみられ、精細管径もわずかながら小さい結果であった。さらに、精細管内の細胞については、生後7日時点で生殖細胞数の増加がみられており、さらに生後20日時点でも精細管基底膜上の生殖細胞数の増加がみられていた。これら増殖した生殖細胞のよりこまかなプロファイルについて現在調査中であり、さらにこれらがその後どのような挙動をしめすかについても調査を継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書のとおり、甲状腺モデルラットを作成でき、さらに精巣の組織学的評価についても検討をすすめられているため、概ね順調に進展とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書のとおり、コントロールと甲状腺機能低下群での精巣の組織学的変化について、分子生物学的な違いをみつけていくことと、精巣の組織学的変化がより出生後日数が進んだ場合にどのように変化していくのか(変化が消失していくのか、拡大していくのかなど)について観察していく。
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Causes of Carryover |
主に購入を予定していた試薬の購入が年度内にできなかったことと、旅費、人件費が生じなかったため。 次年度では、さらに実験を進めていくことで試薬等や人件費に費用がかかり、学会発表等で旅費も生じる見込みである。
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