• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

組織透明化技術で明視化した皮弁内血管網構造の三次元的解析と皮弁灌流領域の解明

Research Project

Project/Area Number 23K09101
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

安倍 吉郎  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40467808)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords組織透明化 / 皮弁 / 血管網構造 / 未固定遺体
Outline of Annual Research Achievements

・皮弁移植術を行うにあたって、皮弁内の血管分布、特に脂肪層内の走行を正確に解明することが重要である。そこで組織透明化技術を用いて、微細な血管網構造を可視化した標本を作成することを目的として本研究を行った。
・特許(2020-082566)に基づき、遺体から採取された4個の皮弁(外側広筋を含んだ前外側大腿皮弁が3個、広背筋皮弁が1個)の透明化を試みた。
・採取した組織の体積に応じて透明化に用いる試薬の濃度や浸漬の時間、温度などの条件を変えながら行ったところ、4標本中1個(前外側大腿皮弁)で良好な透明化が得られ、ターゲットとする脂肪内の微細な血管網構造の可視化に成功した。しかし、そのほかの3個では透明化が不十分なもの、或いは透明化は得られたが組織損傷が著しく、脈管構造がわからない個体も見られた。
・現状は組織の体積や種類に応じた至適条件を探索している途中であるが、これまでの経験から良好な透明化を得るためには脈管内の灌流処置や40°前後の加温が有効なことに加え、重大な組織損傷を回避するにはホルマリンの固定時間を十分に長く設定し、溶液中の水酸化カリウム濃度を抑えることが鍵であると考えている。 さらに、真皮が厚い背部の皮弁や強固な筋膜構造を持つものは浸漬の効果が弱いため、皮膚表層を脱上皮することや、あらかじめ筋膜を除去することも検討している。
・今後は透明化プロトコールの確立をすすめ、画像解析ソフトで血管の三次元的走行や密度を計測することで、臨床における実際の皮弁手術計画や新たな皮弁開発に応用する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究には当病院に搬送される未固定遺体を用いているが、当初の想定よりも遺体のコンディションや体格の差が結果に影響することが判明した。したがって、研究に用いやすい遺体が登録されるまで待機する必要があるため、実際に使用できる遺体の数が限られていることがスケジュールに影響していると思われる。
以上より、やや遅れていると評価した。

Strategy for Future Research Activity

・現在も行っている方策だが、組織透明化の特許者とも随時打ち合わせを行い、至適な条件について検討をすすめる。
・今までに良好な結果が得られた個体もあるため、今後はその個体に用いた条件を参考にしながらプロトコールの確立をすすめる。
・良好なコンディションの未固定遺体を使用できるよう、遺体の管理者と打ち合わせを行う。

Causes of Carryover

消耗品の使用状況の差によって次年度使用額が生じた。次年度の研究費と合わせて、消耗品の購入等で使用する予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi