2023 Fiscal Year Research-status Report
骨補填材兼GBR用スペーサー機能をもつ炭酸アパタイト/魚コラーゲンシートの開発
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23K09372
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
工藤 景子 徳島大学, 病院, 講師 (70380029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (20200214) [Withdrawn]
福田 直志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10804156)
秋田 和也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (70876028)
工藤 隆治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10263865)
高丸 菜都美 徳島大学, 病院, 講師 (40513031)
栗尾 奈愛 徳島大学, 病院, 講師 (80622141)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 炭酸アパタイト / 魚うろこコラーゲン / 顎骨再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)炭酸基含有量と異なる炭酸アパタイト顆粒の作製 硫酸カルシウムを出発原料とし、炭酸化、リン酸化を経て作製した。本実験では、リン酸源は0.4mol/Lのリン酸水素ナトリウムに固定し、炭酸源を3種類の炭酸水素ナトリウム(0.2、0.4、0.8 mol/L)と変えることで異なる炭酸基含有量を有する試料を調製した。炭酸基含有量はX線回折、フーリエ赤外分光光度分析、元素分析(CHN分析)で測定し、評価した。1.9%、6.1%、10.9%の3種類の炭酸含有量の炭酸アパタイト顆粒が作製できた。尚、作製した顆粒は、ふるいわけと蒸留水による洗浄・乾燥を実施し、300-600μmのサイズのものを以下の実験に用いた。 2)炭酸アパタイト顆粒と魚うろこコラーゲンとの複合体を作製 1)で作製した3種類の炭酸基含有量の炭酸アパタイト顆粒と魚うろこコラーゲン(CellcampusFD08G (Taki Chemical, Hyogo, Japan)),の複合体を作製し、直径9mm、厚さ1mmの円柱状とした。魚うろこコラーゲンの濃度は、過去の研究結果より3%とし、魚うろこコラーゲンに対する炭酸アパタイト顆粒量は40w%とした。 3)理工学的評価 2)で作製した試料の理工学的評価として、走査型電子顕微鏡像撮影、X線回折、ならびにフーリエ変換赤外分光分析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度(2023年度)の予定は、作製した炭酸アパタイト(3種類の炭酸含有量)と魚うろこコラーゲン複合体を用いて、in vitroとin vivoの検証まで実施予定だったが、3種類の炭酸含有量の炭酸アパタイト顆粒作製を作製するのに時間を要し、実際作製した試料を用いての検証までは至らなかったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は作製した炭酸アパタイト(3種類の炭酸含有量)と魚うろこコラーゲン複合体を用いて、in vitroとin vivoの検証を行う予定である。 1.in vitroでの検証:3種類の試料を24穴培養プレートに留置し、以下の実験を行う。1)細胞接着性の評価:近交系ラット大腿骨より初代培養した骨髄幹細胞混濁液(1x10^4個/50μL)を滴下する。24時間培養後に、MTT assayとヘキスト33342染色で細胞接着性を評価する。2)化誘導能(骨形性能)の評価:1)と同様に近交系ラット骨髄幹細胞混濁液を播種し、経時的に細胞増殖とアルカリホスファターゼ、タイプIコラーゲン、オステオカルシンの遺伝子発現をリアルタイムPCRにて測定し、骨形性能として評価する。3)破骨細胞による吸収性の評価:近交系ラット骨髄幹細胞をM-CSFとRANKLの存在下で破骨細胞へと分化誘導する。この細胞を複合体試料上で培養し、Pit formation assayを用いて吸収性を評価する。 2.in vivoでの検証:3種類の試料をWister系ラット(雄、12週齢)の頭蓋骨に作製した直径9mmの骨欠損に移植する(ラットの場合、クリティカルサイズは9mm)。移植4、8、12、24週後に試料を摘出し、組織標本(HE染色、VG染色)やμCTを用いて、試料の吸収量、新生骨量を測定することで骨伝導能、骨置換能の検証を行う。
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Causes of Carryover |
2023年度は、in vitroならびにin vivo検証まで到達出来なかったため、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した研究費と併せて培養関連器材ならびに動物実験関連に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)