2023 Fiscal Year Research-status Report
Effects of skeletal muscle electrical stimulation on hyperglycemia-induced arterial stiffness
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23K10586
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
羅 成圭 徳島大学, 教養教育院, 准教授 (60741999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 哉 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (10274193)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 骨格筋電気刺激 / 食後高血糖 / 動脈スティフネス |
Outline of Annual Research Achievements |
食後すぐに血糖値が急上昇・急降下する「血糖値スパイク」は種々の疾患リスクを高めることが知られている。そのため食後は血糖値の上昇のみが着目されがちであるが、食後には心血管疾患のリスクファクターである動脈スティフネスが高まっていることも報告されている。我々はこれまでに骨格筋電気刺激が一過性に動脈機能を高めるという知見を得ているため、骨格筋電気刺激は食後の高血糖に伴う動脈機能の低下を抑制もしくは改善するという仮説をたて検証をおこなった。 健康な成人男性を対象に75g経口ブドウ糖負荷試験を実施した。すべての被験者は骨格筋電気刺激を実施しないコントロール試行に加え、糖溶液摂取の60分前(Before試行)もしくは糖溶液摂取30分後(After試行)に30分間の骨格筋電気刺激を負荷する3試行をクロスオーバー法で実施した。血糖値、血清インスリン濃度、そして動脈スティフネスの指標として上腕足首間脈波伝播速度(baPWV)を評価した。すべての試行において糖溶液摂取後に血糖値が上昇したもののAfter試行における糖溶液摂取60分後の血糖値は他の2試行と比較して有意に低値であった。また血清インスリン濃度の曲線下面積もAfter試行において低値を示した。さらに血糖値と血清インスリン濃度が低値を示した糖溶液摂取60分後においてはAfter試行のbaPWVが他の2試行と比較して低かった。 今後は、骨格筋電気刺激の慢性的な効果(トレーニング効果)とその機序を明らかにすることを目的に研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は骨格筋電気刺激が食後の高血糖と動脈スティフネスに及ぼす急性の効果を検証する予定であった。骨格筋電気刺激実施の急性効果と最適な実施タイミングについて明らかにすることができたため、2023年度の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はこれまでに骨格筋電気刺激に運動を併用することで、より効果的に(低い運動強度で)動脈機能を改善できることを明らかにしてきた。そのため2024年度は骨格筋電気刺激と低強度運動の併用効果について検証を進める。現在はそのための予備検討をおこなっている。
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Causes of Carryover |
理由:研究計画にしたがって支出をおこなったものの、測定機器のリース費用が一部不要となったため支出額が予定を下回り次年度使用額が生じた。 使用計画:機器のリース費用が必要になった場合は優先的にリース費用支払いに充て、残額が生じた場合は物品費、旅費、人件費・謝金として使用する。
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