2023 Fiscal Year Research-status Report
観光資源の未知の強み・弱みの把握 - AIによるSNS投稿テキスト分析を軸として-
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23K11665
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
辻岡 卓 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (20389159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 公次郎 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (30372717)
塚本 章宏 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (90608712)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 観光資源評価 / SNS / 画像クラスタリング / 生成AI |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度はこれまで継続してきた研究課題「 観光資源の発掘・再評価 -機械学習による写真共有SNS分析を軸として-」で得られた知見をまとめるとともに、分析元データの収集方法模索に注力した。先行研究はSNSのひとつであるTwitterの投稿画像データを元に観光客の意見分析を行ってきた。しかし、2023年2月にTwitterAPI利用規約が改定され、Twitter投稿データの収集・活用は困難となった。その代替データを模索した結果、画像共有プラットフォームFlickrを活用することとした。FlickrはAPIが整備されているとともに収集コンテンツの権利関係が明瞭であるため研究基データとして適切である。 一方でFlickrはその他SNSと比してテキスト投稿が貧弱な傾向がある。この問題に対して本研究課題は収集した投稿画像を元に生成AIを用いてキャプション(説明文)を付加することで対応した。テキスト情報であるキャプションは画像データに比べて次元が小さく形態素解析等の自然言語処理を幅広く実施することができる。またキャプションには被写体や撮影時のコンテキストが含まれている。従来の画像分析は色情報やエッジ情報を元としたものが多く、そのコンテキストは排除されがちである。コンテキストに基づいた分析を実施することで、観光地の訪問者の感想・興味をより詳細に把握することが期待できる。 その有効性検証する目的で、検索キーワード"Fushimiinari"でヒットした画像500枚を対象にキャプションを付加し、それらキャプションにトピックモデリング手法BERTopicを適用することで分類を実施した。その結果、画像群をF1値0.8以上の精度で分類することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
利用予定だったTwitter投稿データの収集困難という問題が発生したが、Flickr投稿データへスムーズに移行することができた。またその差異を補完する方法として生成AIによるキャプション生成を着想し、その実装も順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、有効性評価を実施し一定の成果を確認できた。今後は、まず類似の観光地を対象として比較分析を実施したいと考えている。それら観光地間の相違点が、当該観光地の強み・弱みの表出として捉えることができると考えている。 また併行してFlickr以外の研究元データ(観光客の投稿したテキストデータ)を探していきたい。Flickrから得られたキャプションデータとそれらテキストデータを比較することで画像データとテキストデータの差異を得ることができれば、観光客の意見がどちらに多く集約されているかを明らかにすることができる。
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Causes of Carryover |
分析元データとして想定していたTwitterの方針転換のため、データ収集とその妥当性検証に注力した。 これら作業は現有資産および所属機関研究費で実施可能であった。次年度以降、本格的に分析を開始し、その成果発表のため研究費を温存した。 次年度研究費はGoogleColab、ChatGPT_API等のクラウド開発環境利用費、成果発表旅費・エントリー費等に使用予定である。
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Research Products
(4 results)