2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K12334
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
夏目 宗幸 九州大学, 人文科学研究院, 助教 (50906732)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 幕府直轄領 / 狩猟場 / 入会地 / 土地利用 / 新田開発 / 御鷹場 / 鹿狩之場所 / 江戸五里四方 |
Outline of Annual Research Achievements |
新田開発の前提条件を形成したであろう将軍の狩猟と鷹場に関する研究を中心に進められた。その結果、以下のような成果を得た。 まず、今年度における最大の成果は、調査範囲を従来の調査対象から大幅に広げたことにより、家光期における将軍家の狩猟に関与する土豪名主(新田開発の当事者)関連の文書を見出すに至った点である。本研究における前年度までの調査結果をまとめた論文においては、「御鹿狩之場所」という将軍の狩猟場が、武蔵野台地に存在した可能性を提示する所までには至ったものの、あくまで幕府内において共有された認識が明らかになった所に留まっていた。そして、「御鹿狩之場所」が地方において、どのように認識・運用されていたかは全く不明であった。ところが、今回の調査では、幕府内においてのみ認識される存在ではなく、土豪名主(新田開発の当事者)も明確に認識を共有している事が明らかになった。また、こうした名主層が、将軍の狩猟に際して、その準備に奔走していたことを想起する史料も新たに見出すことができている。これらの史料の整理結果に関しては、次年度において公表できる見込みである。そのほか、鷹場内の所領分布に関するGISデータの作成が完了し、分析に進む段まで到達した事も成果の一つとなっている。今後、これらのデータは、古村・新田村とわず、江戸期を通じた幕府による江戸近郊支配と開発の実態の解明に寄与するデータとなる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家光期における将軍家の狩猟に関与する土豪名主の存在や、新田開発計画に関与した鷹場関連職能者の人物像に関する調査が当初の計画通り、重要な課題となっており、これを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針は、新田開発計画以前において行われた将軍の狩猟と土豪名主や鷹場関連職能者の関係性に注目して研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
現地調査の実施回数が計画よりも少なかったため、執行額が少なくなった。また、想定よりも多くの未解明の史料が存在していたこともあり、論文化の予算執行も先送りとなった。次年度においては、実施できなかった現地調査を早期に実施するとともに、8月頃までに史料整理を終えることで論文化の予算執行を確実に行いたいと考えている。
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Research Products
(1 results)