2023 Fiscal Year Research-status Report
The mechanism of autonomy-supportive teaching: A computational modeling approach
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23K12879
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
柿沼 亨祐 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 助教(特別研究員) (00909236)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 動機づけ / エンゲージメント / 教授法 / 指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
どのような指導方略が自律的な学習者を最も効果的に育てることができるのかを検証するために実験を行った。記憶、推論、メタ認知、動機づけの先行研究に基づいて作成した複数の指導方略を、アルゴリズム化することで実験操作し、有効性を比較検証した。指導方略として、50%もしくは10%の指導の量で、指導するブロックと指導しないブロックを繰り返す方略(ブロック50%方略、ブロック10%方略)、指導と次の指導の間に間隔をあける方略(分散50%方略、分散10%方略)、指導を受けるかどうか学習者に選択を委ねる方略(自己選択方略)、学習者の理解度に応じて指導の量を増減させる方略(足場がけ方略)を設定した。統制群として、指導なし群と全指導群を設定した。 成人1199名がオンライン実験に参加した。参加者は8つの群のいずれかに割り振られた。課題は主に、2つの指導セッション、独立セッション、再認テストセッションで構成された。指導セッションでは、群によって異なるアルゴリズムでヒントが提示された。独立セッションでは、どの群でも同様に、参加者は新しい刺激を使った課題をヒントなしで分類した。 分析の結果、独立セッションでの探索成績について、ブロック50%群、ブロック10%群、分散50%群の平均値が、指導なし群よりも有意に高いことが示された。さらに、ブロック10%群の平均値が全指導群よりも有意に高いことが示された。これらの群間差に関して、反応時間と再認成績による媒介効果が有意であった。その他の実験群と、指導なし群、全指導群との差は有意ではなかった。 以上の結果から、50%もしくは10%の量で、指導するブロックと指導しないブロックを繰り返す方略、50%の指導を分散させる方略は、指導期間での学習者の課題エンゲージメントと再認成績を上昇させ、学習者が新しい状況で独立した際の成績を向上させることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、当初計画の研究1に当たる実験を実施した。自律的な学習者を育成するための方略として、ブロック50%方略、ブロック10%方略、分散50%方略が効果的である可能性が示された。したがって、本研究課題は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、指導タイミング (ブロックもしくは分散) × 指導の量 (50%もしくは10%) の2要因について効果検証する予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は実験実施費用が当初の見積額よりも低くおさまったため。 2024年度、行動実験の実施と、学会や論文での成果発表のための経費に使用する予定である。
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