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2023 Fiscal Year Research-status Report

変容プロセスの視点に基づくアクセプタンスの作用機序の解明と臨床応用

Research Project

Project/Area Number 23K12923
Research InstitutionOtemon Gakuin University

Principal Investigator

嶋 大樹  追手門学院大学, 心理学部, 講師 (00835788)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Keywordsアクセプタンス / 変容プロセス / 臨床行動分析 / 言語行動
Outline of Annual Research Achievements

心理的支援において学派横断的に注目される概念に,さまざまな体験との積極的な接触/受容を指すアクセプタンスがある。当該概念は心理療法各学派における共通要素の理解をもたらしうるが,基礎研究との接続が弱く,その理解は不十分である。そこで本研究では, アクセプタンスの作用機序解明とその適切な応用を目指し,基礎研究に基づく概念整理/実証と,介入の精緻化を目的とする。
本研究では,新たな分析枠を採用してアクセプタンスの概念分析を行なう。初年度は,アクセプタンスに着目した介入モデルを参照し,理論的に想定されるプロセスについて記述することを目標とした。関連する文献を収集し,「アクセプタンス」という語がa)どのような経緯で着目されるようになったのか,b)どのような文脈で使用されているのか,c)想定される効果にはどのようなものがあるのか,d)想定されるメカニズムとしてどのような心理的作用が挙げられているのか,e)関連する基礎的な研究にはどのようなものがあり,その結果は何を示しているのかといった点の整理に着手した。
関連文献を幅広く収集して整理を継続しているため,現時点では明確な結論を示すことは困難である。しかしながら,新たな分析枠として「言語行動」に着目することで,そのプロセスを統一的に記述する可能性がある。臨床的な効果を産出する際の背景プロセスを記述することで,介入の意図や目的を自覚しやすくなることが期待される。本研究では,そのような視点を,新たな枠組みから提供し,基礎―応用のどちらにも有益な情報を提供できる可能性がある。
なお,これまでの整理で,アクセプタンスの中核として「現在の体験との防衛なしの接触」という要素が抽出可能である。引き続き,言語行動との関連からその機能やメカニズムを明確化できるように整理を行なう予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

想定外の業務依頼が重なり,本研究課題に割けるエフォートの見直しが必要となった影響で,文献の整理に時間を要している。また,歴史的な経緯も含めて整理することを試みているため,確認すべき文献数が予想を上回っている。さらに,入手しづらい文献の確保に難渋している点も要因のひとつである。

Strategy for Future Research Activity

計画していた実験研究へ進むためには,精緻な概念整理が求められる。現在のアクセプタンス概念を取り巻く状況は,用語の使用法も含めて混乱していることが明らかとなってきているため,前提条件の整理にエフォートを割く必要があると考える。したがって,以降の研究の土台を固めるためにも,概念分析を重点的に進めるよう,計画の一部見直しが必要と考える。
しかしながら,計画した内容を少しでも達成するために,確認すべき文献の厳選や研究計画の立案を並行して実施するなどの対策を講じる。
当面の目標としては,概念分析の一部の論文化と予備実験の実施とする。

Causes of Carryover

研究遂行の遅れにより次年度使用額が生じた。
検討すべき資料を再整理し,必要な書籍(洋書)を購入する。概念分析の結果をまとめ,学会発表および論文執筆/投稿にかかる費用に充てる。
また,実験に必要な機材の購入,情報収集のための国内外学会への参加に充てる計画である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Profiles of psychological flexibility in Japan: A conceptual replication2024

    • Author(s)
      Shima Taiki、Muto Takashi
    • Journal Title

      Journal of Contextual Behavioral Science

      Volume: 31 Pages: 100715~100715

    • DOI

      10.1016/j.jcbs.2023.11.006

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] アクセプタンス&コミットメント・セラピー―「行動」としての「認知」,「行動」に影響を与える「認知」との付き合い方―2023

    • Author(s)
      嶋大樹・熊野宏昭
    • Journal Title

      精神療法

      Volume: 49 Pages: 52-56

  • [Presentation] Differential effects between types of onomatope in metaphors2023

    • Author(s)
      Taiki Shima
    • Organizer
      ACBS World Conference 2023
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 大学生の心理的健康の保持増進に対するオンラインACTプログラムの開発――個別プロセス変数に着目した追加分析――2023

    • Author(s)
      嶋大樹・津田菜摘
    • Organizer
      日本心理学会第87回大会
  • [Book] すいすい学べる認知行動療法――行動療法の基本と認知療法、マインドフルネス――2024

    • Author(s)
      松野航大・嶋大樹・原真太郎
    • Total Pages
      192
    • Publisher
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779517853

URL: 

Published: 2024-12-25  

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