2023 Fiscal Year Research-status Report
ヒスタミン神経回路による記憶想起制御メカニズムの解明
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23K14683
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
森下 良一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90953729)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヒスタミン / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は記憶想起に寄与するヒスタミン神経回路を同定し、ヒスタミン神経活性化による記憶想起回復メカニズムを明らかにすることを目的とする。初年度はまず実験条件の検討等、光遺伝学的手法を用いた行動実験系の確立に取り組んだのち、ヒスタミン神経集団あるいは特定のヒスタミン神経回路の選択的操作が記憶想起に与える影響について解析した。 ヒスタミン神経選択的にCreリコンビナーゼを発現するHDC-Creノックインマウスの結節乳頭核にCre依存的に光駆動性塩化物イオンポンプであるハロロドプシン(eNpHR)あるいは光駆動性陽イオンチャネルであるチャネルロドプシン2(ChR2)を発現するAAVを注入し、注入部位の上方に光ファイバーを埋め込んだ。学習課題は音と報酬(スクロース水)の古典的条件づけを用いた。予備実験では、条件づけ音の提示により記憶を想起させると、ヒスタミン神経の活動が上昇することを確認している。条件づけ成立後、音提示の直前にヒスタミン神経活動を光遺伝学的に操作すると、報酬条件付け記憶の想起に有意な効果がみられた。ヒスタミン神経活動の光遺伝学的抑制は報酬条件付け記憶の想起を減弱させ、活性化は想起を促進した。また、これらのヒスタミン神経活性の光遺伝学的操作による、スクロース水提示後の自発的なリッキング、音響驚愕反応、注意、あるいは覚醒度に対する影響は観察されなかった。これらの結果はヒスタミン神経の活動動態が記憶の想起可能性に影響を及ぼす重要な調節因子であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に基づき、記憶想起にかかわるヒスタミン神経回路の機能解析が進められている。実験条件の検討等、行動実験系の確立に想定よりも時間を要したものの、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、研究計画に沿って特定のヒスタミン神経回路の光遺伝学的操作が記憶想起に与える影響の解析を進める。さらに、ヒスタミン神経活動とヒスタミン神経投射先領域の記憶セルアセンブリ再活性化の相関関係を解析する。
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Causes of Carryover |
実験条件の検討等、行動実験系の確立に時間を要し、アデノ随伴ウイルスやマウス手術関連消耗品の消費量が当初の想定よりも少なかったため、それに伴い各消耗品等の購入時期を遅らせた。使用計画に関しては、研究の進捗状況に合わせ各消耗品等の購入に充て、以降は変更なく当初の計画のまま使用する予定である。
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Research Products
(1 results)