2023 Fiscal Year Research-status Report
神経細胞賦活による細胞内酸素濃度変動を直接検出するfMRI法の開発
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23K14883
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
唐 明輝 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (80794156)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | MRI / oxygen / paramagnetism / DWI-fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
広く用いられているfunctional MRI(fMRI)は賦活に伴う血流変化を利用するもので、賦活している神経細胞群が存在する大脳皮質からの脳表静脈周辺が広く賦活領域として描出されることが多く、その70%が偽陽性であると指摘されている。我々は細胞内のような高粘性状態では常磁性体である酸素分子がMRI信号に与える影響が著しく増強されることに気付き、賦活神経細胞内の酸素濃度変動が引き起こすMRI信号変化を捉えることで、賦活大脳皮質を直接捉えられると考えた。本研究は、拡散強調撮像法を改良し細胞内からのMRI信号のみを強調し、細胞内の酸素濃度変化による信号変動を敏感に捉えることで、真の賦活領域を描出するとともに賦活強度の定量化も目指す。初年度では安静時の脳活動を対象とし、X、Y、Zそれぞれの方向のMotion Probing Gradientを用いてDWI併用fMRI(DWI-fMRI)を試行し、血流の影響を最も抑えたMPG方向を選択した場合の信号変動を詳細に解析した。0.1Hz以下の安静時脳活動の信号変動を解析したところ、一部の結果では、MR信号変動が0となる特異的なTE(MR撮像パラメータ)の存在を確認し、常磁性分子である細胞内酸素の緩和時間短縮効果を観察できたが、他の結果では確認できなかった。その理由としては呼吸及び心拍が血流などの変動を引き起こし、その変動による信号変動の高調波成分が安静時脳活動の周波数領域に混入する可能性があると推測する。被験者の異なる呼吸及び心拍周期により、混入の強さが異なると考えられる。安静時脳活動による信号変動のみを取り出すには、呼吸及び心拍の影響を分離する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
MRベンダーとの契約が遅れ、DWI-fMRIのソースコードが入手できなかったため、血液の影響を抑制するパルスシーケンス開発が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
DWI-fMRIのソースコードを入手し、血液の影響を抑制するパルスシーケンスを開発する。また、呼吸や心拍が血流以外に、血液から細胞内までの酸素の拡散にも影響すると推測するため、安静時のDWI-fMRIの信号変動の中、呼吸及び心拍の影響を分離し、安静時脳活動のみを取り出し、特異的なTEの存在を確認する。さらに、理論上、特異的なTEの値がMR撮像パラメータ(TRとTE)により変動するので、その依存性も確認し、神経活動による細胞内酸素濃度変化のみを強調するMRI撮像法の開発する。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた血流パルスシーケンス開発等の実験にかかわるMR使用料を次年度に繰り越した。これらの実験を行うための実験補助要員等の謝金やMR使用料などの使途を計画している。
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