2023 Fiscal Year Research-status Report
神経芽腫のNK細胞からの免疫逃避メカニズム解明とがん免疫療法への応用
Project/Area Number |
23K15455
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
青木 啓将 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 助教 (70881845)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 神経芽腫 / 小児がん / 腫瘍免疫 / NK細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス神経芽腫細胞株の同種移植マウスモデルにおいて、NK細胞が神経芽腫の進展抑制に重要な役割を果たしていることが示唆された。また、臨床検体のマイクロアレイデータの解析により、悪性度の高い群においていくつかのNK細胞からの障害性に関与する因子の発現が低下していることが示唆された、実際に、神経芽腫細胞株において因子Xを阻害することで、これらの因子の発現が上昇したことから、因子Xがこれらの因子を負に制御している可能性が示唆された。さらに、因子Xとは別経路で制御されていそうな免疫関連因子もデータ解析により明らかになっているため、これらの因子の発現制御メカニズムについても探索してく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、神経芽腫の進行防止においてNK細胞が重要な役割を担うことを示すことが出来た。また、臨床検体のデータ解析と生化学的実験により、高リスク群の神経芽腫細胞が免疫抑制的な遺伝子発現制御を受けていることを明らかにすることが出来た。次年度は免疫抑制メカニズムをより詳細に検討してく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
高リスク群における腫瘍免疫に関わる候補因子の発現制御メカニズムの解明を試みる。また、それらの因子をレンチウイルスの系で神経芽腫細胞株に過剰発現させ、in vitroとin vivoの系でNK細胞 (またはT細胞) からの細胞障害性を解析する。これらの解析を通して、高リスク群の神経芽腫がNK細胞から免疫逃避を行うメカニズムの全貌を解明する予定である。
|
Causes of Carryover |
神経芽腫の腫瘍免疫に関わる免疫関連分子を同定するため、複数種類の抗体を購入する目的で前倒し支払請求書を行ったが、予定よりもスムーズに候補因子を同定することができたため、メカニズム解明などを目的とした分子生物学的実験費用に充てる予定である。
|
Research Products
(15 results)