2023 Fiscal Year Research-status Report
地域高齢者における脳MRI画像の脳血管障害病変の縦断的変化:久山町研究
Project/Area Number |
23K16330
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古田 芳彦 九州大学, 医学研究院, 助教 (60850005)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 疫学 / 脳画像 / 脳卒中 / 脳血管障害 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
福岡県久山町では、1961年から地域住民を対象とした疫学研究(久山町研究)が継続されており、脳卒中や虚血性心疾患発症の追跡調査を行っている。さらに本研究グループは2012年と2017年に65歳以上の高齢者の約70%において頭部MRI検査を実施した実績を有する。そこで本研究は、地域高齢者におけるMRI画像上の脳血管障害病変の変化(病変が新たに出現する発症率)とその危険因子、さらにこれらの病変が出現することによるその後の脳卒中や認知症の発症、死亡に与える影響を検討することを目的としている。2023年度はデータセット作成を進めた。概要は以下の通りである。 2012年と2017年の久山町高齢者調査で頭部MRI検査を受診した65歳以上の男女927人を対象とした。これらの対象者のMRI画像について、脳梗塞、微小出血の有無を2人の読影者が臨床情報を知らされずに独立に判定した。脳梗塞は3 mm以上の病変とし、穿通枝領域で15 mm未満の脳梗塞をラクナ梗塞と定義した。また微小出血は10 mm未満の脳出血と定義した。2人の判定が一致しない場合は第3者が決定した。 その結果、2012年のMRIにおいて脳梗塞を210人(22.9%)、微小出血を149人(16.2%)で認めた。脳梗塞の有病率を年齢階級別にみると、65~69歳で16.5%、70~74歳で20.8%、75~79歳で31.0%、80歳以上で31.2%となっており、年齢の上昇とともに有意に増加した(傾向性p<0.001)。ラクナ梗塞の有病率は17.5%で、年齢階級別にみると65~69歳で12.7%、70~74歳で16.8%、75~79歳で23.9%、80歳以上で21.6%と、年齢の上昇とともに増加した(傾向性p<0.01)。なお2017年においては脳梗塞を237人(25.8%)、微小出血を192人(20.1%)で認めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り2012年および2017年に撮像された脳MRI画像所見のデータセットを作成した。現在2012年と2017年の画像を比較読影しており、おおむね予定通りに進行していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度はこれら病変について2012年から2017年にかけての変化を検討し、発症率やその危険因子を算出する。また心血管病および認知症発症の追跡を継続する。
|
Causes of Carryover |
学会をリモート参加としたため旅費を使用しなかった。次年度以降は学会参加の旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(10 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Association of impaired olfactory identification with prevalent mild cognitive impairment and regional brain atrophy:the Hisayama Study.2023
Author(s)
Minohara T, Ohara T, Nakazawa T, Hirabayashi N, Hata J, Furuta Y, Mihara A, Shibata M, Kitazono T, Nakao T, Ninomiya T
Organizer
23rd WPA World Congress of Psychiatry
Int'l Joint Research
-