2023 Fiscal Year Research-status Report
加速疾走能力向上のための身体動作の究明および評価システムの開発
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23K16687
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大島 雄治 久留米大学, その他部局等, 准教授 (20805171)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 加速疾走 / マーカーレスモーションキャプチャ / 人体モデル / シルエット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,加速能力と加速疾走動作の関係を明らかにし,短距離走者の加速疾走能力向上に貢献することであるが,2023年度においては,パン-ティルト撮影が可能なマーカーレスモーションキャプチャ―システムを開発し,精度を検証することを目的として研究を進めていた. 2023年度の目標を達成するために,まず,固定した8台のカメラを用いて撮影を行い,歩行動作についてのマーカーレスモーションキャップチャーの精度検証を行った.結果として,下肢三関節の関節中心位置の誤差は,股関節が34.4mm,膝関節が16.9mm,足関節が7.2mmであり,市販されているソフトウエアのものよりも誤差が小さいことが確認できた.また,この研究成果については,日本体育・スポーツ・健康学会にて発表を行った. しかし,股関節中心位置については他の関節と比べると精度が低いことから,精度改善のための策を考える必要がある.加えて,計算コストについても,1試技あたり(200フレーム)に要する時間は,2時間程度であることから,アルゴリズムを改善し,より短時間で計算を終了させる必要がある. 上述したような問題点があるが,それらを解決することができれば,本研究で用いたAIモデルなどは全てオープンソースとなっていることから,さらなる精度向上が達成できれば,バイオメカニクス的なデータ収集に大きく貢献すると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では2023年度に,パンティルト可能なマーカーレスモーションキャプチャを開発することであったが,今年度は,固定カメラでのマーカーレスモーションキャプチャの精度の検証までしか研究を進めることができなかった.その理由として,股関節中心位置の精度が低いことが分かったため,それを解決するための策を考える必要があったこと,計算コストが高いため,アルゴリズムを改善しより実用性の高いものにする必要があったことが挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度では,固定カメラのマーカーレスモーションキャプチャの精度検証についての論文を執筆し,投稿する予定である.計算コストを小さくするアルゴリズムはおおよそ完成したため,股関節中心の精度を高めるための策を考え,そのための実験を行う.このあたりがおおよそうまくいくことができた場合,パンティルト撮影可能なマーカーレスモーションキャプチャについての実験を計画していくつもりである.
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Causes of Carryover |
2024年度では,今現在所有しているカメラに加えて,カメラを購入し,加速疾走(計測範囲は50m)全体を複数台のカメラでパンニング撮影し,動作データを収集していく予定である.そのためのカメラ購入費として,助成金を使用する.加えて,学会参加や実験に必要な消耗品なども必要経費となる.
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