2023 Fiscal Year Research-status Report
Regional diagnosis of vegetation stress using hyper-temporal all-sky photosynthesis and evapotranspiration data
Project/Area Number |
23K17027
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山本 雄平 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教 (30845102)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 静止軌道衛星 / 陸域植生 / 光合成量 / 蒸発散量 |
Outline of Annual Research Achievements |
日内光合成量推定モデルの考案: 従来の衛星データによる光合成量推定モデルは、一日以上の時間スケールを想定したものである。本研究では日内の光合成量推定を試みるため、従来モデルの適用可能性と改善点を調べた。気象衛星ひまわりの日射量データと地表面温度データと、日本と朝鮮半島の3つの森林サイトと1つの水田サイトの光合成量観測データを用いて実験を行った。その結果、従来モデルは晴天日の昼に過大推定、曇天日の朝夕に過小推定する傾向があることが分かった。これに対し、光合成効率を弱光で高く、強光で飽和させるような関数をモデルに組み込むことでバイアスが大幅に抑えられることが分かった。また、地表面温度データを改良版の光合成量推定モデルに用いることで、猛暑時において植物が高温によるストレスを受けて光合成量が低下する現象をより精緻に再現できることが分かった。 日内蒸発散量の推定: 衛星データによる蒸発散量推定で広く用いられてきたモデル(PT-JPLモデル)の適用可能性を、東アジアとオーストラリアの植生サイト(計31サイト)を対象にして調べた。気象衛星ひまわりの日射量と地表面温度、地表面反射率を入力として、モデル内のパラメータを既定値のまま適用したところ、森林サイトでは概ね良好な推定精度が得られた。その一方で、既存の気候再解析データや衛星ベースの蒸発散量プロダクトと精度比較を行ったところ、農地や半乾燥地で本手法の推定精度が低いことが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の第一段階である「全天候下における地表面温度の推定手法の開発」は着手したところであり、まだ成果は出ていないが、第二段階の光合成量と蒸発散量の推定が先に順調に進んでおり、特に光合成量推定に関しては、現在成果を論文としてまとめている。計画全体の進捗としては、順調に進んでいると言えるだろう。
|
Strategy for Future Research Activity |
光合成量推定と蒸発散量推定の成果をそれぞれ論文としてまとめて、国際雑誌に投稿する。 全天候下の地表面温度の推定に関しては、プロトタイプの構築と推定パフォーマンスの評価までを行う予定である。また、推定された全天候下の地表面温度を光合成量推定モデルに組み込んだ際のインパクトについても評価する予定である。
|
Causes of Carryover |
全天候下の地表面温度の推定が着手し始めたばかりであるため、昨年度は必要な計算機環境を整備しなかった。今年度は、計算機環境の整備と成果発表のために使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)