2024 Fiscal Year Annual Research Report
ダイレクトリプログラミングを利用したヒト食道上皮細胞の作製
| Project/Area Number |
23K17199
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 静 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (80822494)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | ダイレクトリプログラミング / 食道上皮細胞 |
| Outline of Annual Research Achievements |
食道がん切除後に発症した食道狭窄の治療法は、バルーンで狭窄部を押し広げる方法が一般的だが、患者の身体的かつ精神的ストレスが非常に大きい。この問題を解決する方法として、内視鏡的粘膜切除時にできた潰瘍部に口腔粘膜由来細胞シートを移植することで狭窄を予防する方法も報告されている。しかしながら、口腔粘膜由来の細胞を用いる際の侵襲性の問題や、口腔粘膜由来の細胞は食道上皮細胞と同じ細胞ではないため、食道上皮組織として同様に機能できるかは不明である。リプログラミング技術を利用した細胞の作製としては、iPS細胞から食道上皮細胞を作製したという報告がある。しかし、iPS細胞から作製した細胞の移植は行われておらず、生体内で食道上皮組織を構築できるかは明らかになっていない。また、iPS細胞から誘導した場合、上皮細胞だけではなく間質の細胞も同時に分化し、上皮細胞と間質細胞が混在したオルガノイドが作製される。そのため、上皮細胞のみを使用したい食道狭窄の予防に対しては、iPS細胞由来の食道細胞の利用は困難である。一方、ダイレクトリプログラミングを用いた場合、上皮細胞だけを作製することができるので、食道狭窄予防のための潰瘍部への移植に適していると考えられる。そこで、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)から食道上皮細胞を作製するために必要な転写因子の探索を行った。食道上皮細胞で高発現している遺伝子を抽出し、それらをレトロウイルスでHUVECに導入した。いくつかの遺伝子を組み合わせてHUVECに導入した結果、いくつかの組み合わせにおいて食道上皮細胞マーカーの遺伝子発現が上昇した。その中でも特に遺伝子が発現が高く、安定的に培養できる遺伝子の組み合わせを同定することができた。これらの組み合わせで作製した細胞は、食道上皮細胞と同様の形態を示した。
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