Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
ニホンウナギの人工種苗生産はホルモンを投与した人為催熟個体を利用して行われているが、良質な卵を大量に取得するために、自然に成熟した個体の利用が望まれる。そこでニホンウナギの配偶子形成は産卵回遊中に経験する環境条件が関与するとの仮説に基づき、回遊時の行動追跡実験の情報に基づく条件下で長期飼育試験を実施し、配偶子形成が進行する飼育条件とその内分泌機構の解明を目指す。
ニホンウナギの性成熟および配偶子形成機構を解明し、産業的重要でありながら絶滅危惧種でもあるニホンウナギの持続的利用につながる人工種苗生産に大きく貢献することが期待される。また、海洋での回遊行動やその際に経験する環境変化がニホンウナギの生殖内分泌系に及ぼす影響に関する知見が収集できるため、産卵回遊行動の生態学的意義の解明も期待できる。