2024 Fiscal Year Research-status Report
スペース・モス創出-テラフォーミングを先導するコケ植物力利用技術開発の挑戦的研究
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23K17399
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| Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 知道 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50322631)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日渡 祐二 宮城大学, 食産業学群, 教授 (10373193)
久米 篤 九州大学, 農学研究院, 教授 (20325492)
蒲池 浩之 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (40262498)
唐原 一郎 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (60283058)
藤原 徹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80242163)
富田 祐子 (半場祐子) 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (90314666)
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| Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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| Keywords | ヒメツリガネゴケ / 光合成 / トレードオフ / 環境ストレス / レゴリス / 風化 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、宇宙という極限環境で植物がどのように育つのかをコケ植物の特性(小型パイオニア植物、強い生命力等)に注目して研究し、そのような環境ストレスに耐えながらも成長を続けるための分子基盤の解明を目指す。そして植物の極限環境への適応能力を最大限に引き出し、その仕組みを理解するための基礎研究を実施しながら、月や火星のテラフォーミングにも適したコケ植物(=スペース・モス)の創出も目的とする。コケ植物は種子植物とも共通点が多く、宇宙環境に緑や土壌を育もうとするテラフォーミングを目指した本研究は、現在、世界中で顕在化している地球上での環境悪化、食糧不足などを食い止め改善するための新しいアイデアや革新的な陸上植物利用技術を開拓する研究にもなる。 今年度、本研究ではモデルコケ植物(ヒメツリガネゴケ)を用い、次の3つの課題を推進した。 【課題1】光合成活性と成長を促進するスペース・モスの分子基盤の理解と開発:これまでに過重力に応答して光合成活性と成長を促進するAP2転写因子を同定しており、その作用機序を詳細に調べるため、多重遺伝子破壊株の作成を進めている。また並行して、遺伝子産物の局在を調べるための変異体を作出し、タンパク質局在と重力応答性を調べた。またSRDX機能抑制ドメインを融合したAP2転写因子の過剰発現株を作出し、その表現型も調べた。これらの成果を原著論文として投稿し、審査コメントに従い改訂を進めている。 【課題2】環境ストレスに耐えながらも成長するスペース・モスの分子基盤の理解と開発:ストレス応答と成長のトレードオフの関係を打破する仕組みを変異体スクリーニングにより明らかにすることを目指し、変異体スクリーニングを進めた。 【課題3】風化を促進し土壌を生成するスペース・モスの分子基盤の理解と開発:月や火星模擬レゴリスでよく育つ変異体コケ植物をスクリーニングするための予備実験を継続した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的に添い、計画していた3つの課題をそれぞれ進めることができた。研究にはモデルコケ植物であるヒメツリガネゴケを用い実施した。 【課題1】光合成活性と成長を促進するスペース・モスの分子基盤の理解と開発:過重力に応答して光合成活性と成長を促進するAP2転写因子を同定し、その作用機序をより詳細に調べることができた。このため、機能抑制ドメインを融合した形質転換体、タンパク質の局在を可視化できる形質転換体をそれぞれ複数個体得ることができた。得られたデータを取り込み、原著論文に取り込み発表を目指している。さらに得られた変異体等を用い、微小重力(宇宙ステーション内)、低重力(月1/6G, 火星1/3G)などの重力環境における成長の様子を調べるために必要な軌道調節型3D-クリノスタットの開発にも成功した。 【課題2】ストレスに耐えながらも成長するスペース・モスの分子基盤の理解と開発:ストレス応答と成長のトレードオフの関係を打破する仕組みを変異体スクリーニングにより明らかにすることを目指した。候補となる複数の変異体について、その変異箇所を調べるための全ゲノムシーケンスを実施し、候補遺伝子をリストアップすることができた。これにより、今後、これら候補遺伝子から原因となる遺伝子を特定する作業に進めることができる。 【課題3】風化を促進し土壌を生成するスペース・モスの分子基盤の理解と開発:月や火星模擬レゴリスでよく育つ変異体コケ植物をスクリーニングするための予備実験を進めた。そのために月模擬レゴリス、火星模擬レゴリスでヒメツリガネゴケの栽培条件を模索し、変異体を大規模にスクリーニングする実験系を整えた。風化促進に関わる変異体のスクリーニングは予定通り進まなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後も以下の3つの課題を推進する。 【課題1】光合成活性と成長を促進するスペース・モスの分子基盤の理解と開発:重力の変化時の成長の鍵を握る転写因子の1つとして同定したAP2転写因子の作用機序を調べる。このため、多重遺伝子破壊株の作成を進める。また、特定のドメインの機能を調べる。作成した変異体等を用い、微小重力(宇宙ステーション内、クリノスタット利用)、低重力(月1/6G, 火星1/3G, クリノスタット利用)の重力環境や、月や火星の模擬レゴリス上での成長や遺伝子発現変動の様子を調べる。こうして宇宙環境でも成長が促進されるスペース・モス1号の開発を進める。シロイヌナズナにコケAP2転写因子を発現させ、影響を調べる。 【課題2】ストレスに耐えながらも成長するスペース・モスの分子基盤の理解と開発:ストレス応答と成長のトレードオフの関係を打破する仕組みを明らかにするために単離した複数の変異体のマルチストレス耐性能の評価を実施する。またこれらの鍵となる遺伝子(群)の探索を進める。得られた変異体の中で最も宇宙環境ストレスに強くかつ成長できるコケ植物をスペース・モス2号とする。 【課題3】風化を促進し土壌を生成するスペース・モスの分子基盤の理解と開発:月や火星模擬レゴリスでよく育つ変異体大量スクリーニングを完了し、得られた候補株について他のストレス評価(紫外線、低圧力、風化など)を実施する。これらの指標に基づき、優先度の高いものから全ゲノムシーケンスを行い、候補遺伝子を探索する。以上より、風化を促進する分子制御機構を明らかにし、風化能力に優れたスペース・モス3号の単離を目指す。 得られたスペース・モス1, 2, 3号や他の知見から有望だと考えられる遺伝子を組合わせたヒメツリガネゴケの新たに作出案を考察し、宇宙環境での生育に適したヒメツリガネゴケ(スーパー・スペース・モス)の創出を計画する。
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| Causes of Carryover |
軌道調整方3D-クリノスタット開発費を当初予定より抑制することができた。また、ストレス耐性に関わる原因遺伝子の探索のための全ゲノムシーケンスにかかる費用を抑制することができたため、繰越額が生じた。この繰越額を用いることにより、原因遺伝子を特定するためにより精度の高い調査が可能になると考えており、次年度にこの目的のために使用する予定としている。
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[Presentation] Machine-learning-assisted segmentation of the rhizoid architecture of Physcomitrium patens grown in space using X-ray micro-CT2024
Author(s)
Karahara, Ichirou; Yagihara, Naoki; Wakabayashi, Takahisa; Yamaura, Ryohei; Tamaoki, Daisuke; Kamachi, Hiroyuki; Yamauchi, Daisuke; Mineyuki, Yoshinobu; Hoshino, Makoto; Uesugi, Kentaro; Shimazu, Toru; Kasahara, Haruo; Suzuki, Tomomi; Hiwatashi, Yuji; Hanba, Yuko, T.; Kume, Atsushi; Fujita, Tomomichi
Organizer
COSPAR2024
Int'l Joint Research
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[Presentation] Greater effective gravity enhanced photosynthesis of bryophytes mediated by genetic adaptation2024
Author(s)
Yuko T. Hanba, Kaori Takemura, Sakihito Kitajima, Maki Yokoi, Akihisa Shinozawa, Ayuko Maeda, Yuichiro Yasuda, Naoya Sakaguchi, Ryuji Kameishi, Hiroyuki Kamachi, Atsushi Kume, Ichirou Karahara, Yoichi Sakata, Tomomichi Fujita
Organizer
COSPAR2024
Int'l Joint Research
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