2023 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of the practice of Western medicine in Edo Period by experiment based historical methodology and novel non-destructive analysis
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23K17497
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
高浦 佳代子 近畿大学, 薬学部, 講師 (10747653)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 蘭方 / 近世 / 伝統医薬学 / 緒方洪庵 |
Outline of Annual Research Achievements |
本検討では、漢方医薬学に比べて体系的な検証が行われてこなかった蘭方医学について、実際に使用されていた薬物や製剤についてその実態を明らかにすることで、新たな創薬シーズや薬物理論の発見につながる知見を得ることを目的としている。
まずは近世に行われていた蘭方医療の実態を明らかにするため、蘭方医療に関する資料調査を行った。端緒として、幕末の蘭方医である緒方洪庵の使用薬物に関して、彼が主宰していた適塾で塾生の指導に用いたとされる処方集である「適々斎薬室膠柱方」の詳細な検証を行った。当該史料は版本ではないため写本の調査から開始したが、複数の内容の異なる写本があったため、それぞれの詳細について検証した。今回の調査では、既知の4写本を含む計9写本を調査し、史料の構成や収載されている処方について比較を行った。特に、処方については写本間での差が大きかったため、その内容を数値化してクラスタ解析に供することにより、写本間の類似性を統計学的に可視化することができた。また、蘭方医療で使用されていた生薬についても検証を行うため、標本の調査も並行して行った。研究代表者の所属する近畿大学ではペニック社の生薬標本を所蔵しているが、当該標本の詳細については知られていない。同様のペニック社の生薬標本が武田薬品工業株式会社の京都薬用植物園に所蔵されているため、その詳細を調査し、構成生薬の種類、数などを近畿大学所蔵分との比較を行った。今後、これら標本の背景についてもさらに調査を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在のところ一部の文献資料と標本資料の調査を行ってはいるが、予定していた資料や標本の全てを調査できたわけではなく、次年度以降も継続した検討が必要である。また、当初は初年度のうちにある程度、二年目以降に行う予定の科学的検討の予備検討を行い、条件設定などをする予定であったが、まだその段階に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は文献資料の調査を進めるとともに、主に剤型に関する知見を蒐集し、実際の剤型の作成手法などを検証する予定である。この検証結果を、令和7年度にかけて行う科学的検証につなげる。また、令和6年度には国際学会にも参加を予定している。特に標本資料については現在は国内資料の調査に留まっているが、国際学会で他の国での情報を蒐集し、より多くの資料について調査を行うことで、データをより充実させたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初、初年度中に、以降の科学的検討の予備検討を行い、使用器具や試薬などの選定・購入を行う予定であったが、予備検討が終わっておらず、購入に至らなかった。ただし、既に次年度分として器具などの一部を発注しており、順次必要な器具や試薬を購入予定である。
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[Book] 著作(その三)2024
Author(s)
適塾記念会緒方洪庵全集編集委員会
Total Pages
816
Publisher
大阪大学出版会
ISBN
978-4-87259-799-8